運動の効果は、”筋肉を付けること(筋肉量の増大)”以外にも様々な効果があります。たとえば「血流の改善」、これも健康に大きく関係しています。
普段、日常生活の中で足がむくんだり、肩が凝ったりすることってありますよね。
これらは主に「血行不良」が影響しているといわれています(※疾患が原因の場合を除く)
運動をすると各細胞に必要な酸素・栄養素を十分に全身に行き渡らせるため、血流量が増大します。しかし、普段の生活ではなかなか運動を行う機会がなく、ふくらはぎがむくんだり、肩こりになりやすくなるのです。
今回はそんな「血行不良」を改善する運動「筋ポンプ作用」についてご紹介します!
むくみや肩こりの原因は?
むくみは医学的には浮腫(ふしゅ)と呼ばれ、細胞の周りに液が染み出した状態です。
水分を多く摂ったり、塩分が多い食事を摂ったりしたあとにむくみやすくなります。
地球には重力があるため、時間が経つにつれて液が下へとさがり、夕方頃が特に足の浮腫が起こりやすいといわれています。
肩こりは人体の構造上、僧帽筋(そうぼうきん)などの肩周囲の筋肉が重力に抗し、常に肩関節や肩甲骨をぶら下げているため、血流が滞りやすくなることが原因とされています。
筋ポンプ作用とは
全身の筋肉は運動することで収縮と弛緩を繰り返します。また構造上、静脈には逆流を防ぐ弁があり、筋肉が収縮すると血液を押し上げる作用があります。これを「筋ポンプ作用」と言います。
「筋ポンプ作用」をうまく利用することで、血行を改善することができます。
そのためにはまず、むくんでいる部分の筋肉を効果的に収縮させる必要があります。
具体的には、
関節の動く範囲(可動域)最大範囲を大きく関節を動かし、筋肉をしっかりと繰り返し収縮させることが重要なります。
ふくらはぎのむくみ取りの運動
足のふくらはぎの筋肉には、下腿三頭筋という筋肉があります。
これは、ヒラメ筋と腓腹筋(ひふくきん)、2つの筋肉をまとめて呼ぶときの名前になります。
この筋肉はかなり強力な作用を持つ筋肉で、健康な成人の体を片足だけで持ち上げることができるほどの収縮力を持ちます。
これらの筋肉を効果的に収縮させる運動をすることで「筋ポンプ作用」を促し、ふくらはぎのむくみを緩和することができます。
椅子に座り、両足を地面に付け、踵を上げる運動を繰り返します。
その際に、
- 踵をできるだけ大きく上げる
- 踵を下ろすときはゆっくりと下ろす
ことを意識します。
早く運動を行うと、勢いで足の重みを使って運動が行えてしまうため、筋肉の収縮が弱くなります。
”ゆっくり、じっくり”運動を行うことが大切です。
肩こりの運動
肩の上の方には僧帽筋という大きな筋肉があるので、この筋肉をしっかりと収縮させることで筋ポンプ作用を促します。
具体的には、
立っていても座っていても構いませんので、
- 両肩をすくめる
- そのまま数秒保持する
- ゆっくりと下ろす
この動作を繰り返します。
まとめ
運動の効果は筋肉量を増やすだけではなく、「筋ポンプ作用」により血流を改善する効果もあります。
普段から運動する習慣を持つことで心身の健康にもつながります。
ぜひ参考にしてみてくだいさいね。