”貯筋”生活のすすめ

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「貯筋(ちょきん)」という言葉をご存知でしょうか。
老後の生活に向けて筋肉を育て、貯めていく考え方のことを「貯筋」といいます。
今回は、この「貯筋」についてお伝えします。

貯筋運動プロジェクトとは

年齢を重ねると、若い時にどれだけ元気だった人でも筋肉量は低下してします。
それだけでなく、血管や骨、内臓を含むあらゆる組織の機能が老化により低下していきます。
さらに、加齢に運動不足が加わることで、これらの機能低下の速度が加速することが分かっています。

寿命の伸びがここ100年で2倍になったといわれる昨今、老後に向けて運動をして筋肉を貯めていこう!という考え方が「貯筋運動」です。

「貯筋運動プロジェクト」は、福永哲夫氏(鹿屋体育大学前学長・東京大学名誉教授)が提唱する、"毎日行いながら貯筋していく、道具のいらない筋力トレーニング"のことを指します。
在宅の高齢者、特に要支援、虚弱、ハイリスクに属する人が対象となることを想定しています。
対象者の能力に応じて体位(座位・立位)や負荷強度を選択できるようなプログラム構成になっており、「手の支えなしで椅子から立ち上がれない人」には座位プログラム、「立ち上がれる人」には立位プログラムが適用されます。

特徴

貯筋運動プロジェクトが推奨する運動の特徴は主に3つです。

  • ① 筋力が弱くてもできること
  • ② ケガや事故の危険性が少ないこと
  • ③ 特別な施設や用具を必要とせず、自宅でも手軽にできること

特別な器具が必要な運動は、日常的に継続することが難しくなってしまいます。
そこで貯筋運動では、自宅で手軽に自分の体重を利用した運動(自重運動といいます)を行います。

また、歌のテーマに合わせて運動することも貯筋運動の1つの特徴となっています。歌を歌いながら行うことで楽しく行えることはもちろん、回数を数えやすかったり、息継ぎがスムーズに行えるというメリットがあります。

貯筋するためのポイント

貯筋するために重要なポイントをご紹介します。

毎日行う

貯筋活動では、毎日運動を継続することが推奨されています。

物事を継続するときに2日おき、3日おきに行うと継続できる確率が低くなることがわかっています。
一見負担が増えるように思いますが、毎日行うことで習慣化が早くなり、楽に継続することができるといわれています。

思い付きで運動するのではなく、毎日少しずつ運動を行う習慣を生活の中に取り入れていくことが大切です。

足とお腹を鍛える

全身の筋肉の中でも、生活の質に大きく影響する筋肉が「足の筋肉」です。
貯筋運動を行う際にも、足の筋肉が充分でないと運動そのものが行いにくくなってしまいます。
また、足とともに加齢により低下しやすい筋肉が「お腹の筋肉」です。お腹の筋力も日常生活の動作に大きく関係しています。
貯筋運動を始める際には、まず足とお腹の筋肉を鍛える運動を行うと効果的です。

貯筋運動の具体例

具体的な運動方法は参考リンクをご参照ください。

参考)http://www.saitama-sports.or.jp/files/news/H24-1th_chokin.pdf

まとめ

筋肉は急に付けることはできません。長く・しっかりと運動を継続し、徐々に健康で丈夫な体にしていくことが大切です。

欲しいものがあったとき、貯金があればすぐに買うことができるように、筋肉もいざというときのために貯めておきましょう。
そうすることで、例えば突然病気になってしまって入院しても、退院後に早く元の生活に戻れる可能性が高まります。

また、お金は使うと減ってしまいますが、筋肉は使えば増えて丈夫になります。

ぜひ「貯筋」を始めてみてはいかがでしょうか?

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