メディケア・リハビリ研修会「子どもの行動理解と支援〜作業療法・感覚統合の視点から〜」開催報告

発達障害 障害児 子どもの理解 高畑脩平さんの写真 メディケア・リハビリ研修会 えびすリハビリ訪問看護ステーション

前回大好評だった「子どもの行動理解と支援」。今回は兵庫県西宮市で開催しました!
講師も前回と同じく高畑脩平先生(白鳳短期大学リハビリテーション学専攻作業療法学 / 作業療法士)に務めていただき、≪固有感覚≫や≪前庭感覚≫について、多くの実技を取り入れながら解説していただきました。

遊びは「一緒に楽しむこと」が大切!

巡回している保育園への関わりの中で高畑先生が大切にしていることは、「クラスみんなで一緒に楽しむこと」です。
苦手な部分があるからといって、その子だけ別の遊びをするのではなく、クラスみんなと同じ遊びをして楽しむ。そして、そのために大切なのは「遊びの順番」なのだそうです。

高畑先生が実際に関わっているお子さまの動画を見ながら説明いただきました。

遊びの順番

1. 力いっぱい取り組める活動
2. 運動の調整が必要な活動

最初に「力いっぱい取り組める活動」をすることによって運動の大雑把な目盛りを作ることができます。
その後、「運動の調整が必要な活動」を取り入れることで、調整が難しくてなかなかみんなと楽しめなかった子もクラスのお友達と一緒に遊べるようになりました。

では「なぜ」そのようなことが起こるのでしょうか?
その根拠となるのが、今回のテーマでもあった「固有感覚」「前庭感覚」です。
「固有感覚」「前庭感覚」を上手く働かせるような遊びを段階的に提供していくことで、「クラスみんなで一緒に楽しむこと」ができるようになるのです。

前庭感覚とは?

≪前庭感覚≫は、自分の体の傾きやスピード・回転などを感じる感覚です。
受容器は耳の奥にある耳石器と三半規管です。
前庭感覚には主に以下の5つのはたらきがあります。

  • 覚醒を調節するはたらき
  • 重力に抗して姿勢を保つはたらき
  • バランスをとるはたらき
  • 眼球運動をサポートするはたらき
  • ボディイメージ(体の機能を把握する)の発達を促すはたらき

例えば、電車に乗っているとき、体の傾きや重力を感じても体を垂直に保つことができますよね。
これは前庭感覚がしっかりと働いてくれているおかげです。

固有感覚とは?

≪固有感覚≫は、「固有受容感覚」や「深部感覚」などとも呼ばれ、体の様々な部分や位置の動き、関節の曲がり具合、筋肉への力の入れ具合などを感知する「身体内部の目」のような働きをしています。
普段、人はこの感覚を意識することはほとんどありません。しかし、体や手足をどのように動かすかなど、実は大きく依存していると言われています。
例えば、目を閉じたままジャンケンをしてみましょう。
・・・どうですか?出したい手の形を作ることができましたか?
固有感覚が指の状態を脳に伝えることで、自分の手を見ていなくても手を思いのままに動かすことができるのです。

発達障害 障害児 高畑脩平さんの写真 メディケア・リハビリ研修会 えびすリハビリ訪問看護ステーション

まとめ

今研修会では定員を越える応募があり、大盛況のうちに終えることができました。
看護師、療法士、保育士、児童指導員、教員のほか、西宮市学童保育連絡協議会など地域で活動されている団体の方にもご参加いただき、メディケア・リハビリ研修会が目指す「多職種連携」「地域連携」に一歩近づけたのではないかと思います。

次回のメディケア・リハビリ研修会

次回は昨年の10月、台風の影響で中止となった「がんばらないリハビリ介護~転倒予防編~」を開催します。

日時:2020年2月9日(日) 13:30~16:30

場所:大阪トヨペットビル 地下1階E室
   (大阪府大阪市西区立売堀3丁目1-1)

ご興味があればぜひご参加ください!
お申込みはこちらから→https://www.kokuchpro.com/event/medicare11/

一覧へもどる