肩こりや腰痛など、体のこわばりが原因で体の痛みや動きにくさが出てくることがあります。
しかし、そもそも「体のこわばり」とはどんな状態のことなのでしょうか?
体のこわばりとは?
「体のこわばり」を医学的には「筋緊張の亢進(こうしん)」といいます。
筋肉は、分かりやすくいうとゴムのように弾性があり、適度に伸びたり縮んだりして「筋力」を発揮します。
この「筋力」は、人が重力に抗して姿勢を維持したり、運動したりする際にすぐに活動するために必要なものです。
ですので、筋肉が伸びきった状態では弾性がなく、適度な張力を瞬時に発揮することができません。
同様に固すぎてもいけません。
この適度なテンション(張力)が保たれた筋肉の状態を「筋緊張」と呼びます。
動作に備えて準備されている筋肉のテンション(張力)が保たれている状態のことです。
筋肉は何もしなくても、絶えず無意識(不随意的)にわずかに緊張しています。
この筋緊張は極めて運動の内容に依存しており、姿勢が変わったり「運動しよう!」と思ったりするだけでも簡単に変化します。
こわばりが強くなる代表的な疾患には、中枢神経系の疾患があります。
- 脳卒中
- 脊髄損傷
- 脳性麻痺
などです。
脳や脊髄などの中枢部になんらかの障がいがあると、筋肉の硬さをコントロールする機能が弱くなることがあります。
そうすると常に筋肉がこわばって動かせなくなったり、逆に緩くなりすぎて筋肉を収縮させにくくなったりします。
疾患以外の肩こりや腰痛の"こわばり"は何が原因?
普段起こる肩こりや腰痛などは、中枢系の疾患と関係していることもありますが、多くは関係がありません。
疾患が原因でない場合は、
- 姿勢
- 精神状態
によって筋肉のこわばりが大きく変わってきます。
腰痛や肩が凝りやすい人は、精神的に緊張しやすい性格であったり、事務職などで肩と腕に負担がかかりやすい姿勢を日常的に続けていたりすることが多いです。
時々姿勢を変えたり、パソコンで作業される方は肘を置く位置を変えるだけでも肩こりがマシになることがあります。
また、マッサージなどで凝っている筋肉をほごし、一時的に血流を良くして筋肉を柔らかくする方法もありますが、これだけでは根本的な解決にはなりません。
なぜなら、上述の通り、肩こりや腰痛の原因は日常的な姿勢や精神的な緊張が原因だからです。
原因となる疾患、姿勢や生活習慣、ストレス源を減らすことが肩こりや腰痛を改善するための一番の近道です。
まとめ
「体のこわばり」とは、筋肉の緊張が亢進した状態をいいます。
筋肉は常に体を動かせる状態でスタンバイしており、適度な緊張状態を保っています。
脳卒中などの中枢系疾患などにより、適度な筋緊張の状態が崩れてしまうことがあり、それが原因で「体のこわばり」が起きます。
そのほかにも、
- 姿勢
- 精神状態
の影響により、筋緊張は亢進しやすくなります。
中枢系の疾患がないにも関わらず、不快で強い体のこわばりがある場合はマッサージなどでも一時的に解消することができます。
しかし、根本的には普段の生活の中で姿勢を見直したり、ストレス源を解消することが重要です。
ぜひ参考にしてください。