「運動した方が良いのは分かってるけど、どれくらい運動すれば良いの?」と思ったことはありませんか?
今回は、気になる筋力トレーニング(筋トレ)の原理を解説し、運動の適切な回数や頻度について説明していきます。
筋トレの意味
まず、筋力トレの意味を再確認しましょう。
そもそも、人はなぜ筋トレをするのでしょうか?
それは、筋肉を強くしてくれるからです。
適切な負荷で筋トレを行うと、筋肉の繊維が負荷に耐えられずにちぎれます。
この時に起きるのが、一般的にいわれる「筋肉痛」です。
「筋肉痛」は筋肉がパワーアップしている証拠です。
そして、その後に回復する過程で以前の筋肉よりも繊維が強くなります。これを「超回復」といいます。
また、筋繊維がちぎれてなくとも、運動の負荷が適切であれば、運動に参加する筋肉と神経が増えます。
運動負荷によって、眠っている筋肉と神経が目覚めるイメージです。
筋トレは、このような原理で筋肉を強くしてくれます。
しかし、筋肉が確実に強くなる負荷を与えることは、実はかなり困難です。
思っているよりも強い負荷を与える必要があり、体と精神的に限界近くまで追い込むほどの負荷が必要になります。
また、最大負荷での運動は怪我と隣り合わせで、関節や筋肉を痛めてしまう可能性もあります。
そこで、最大筋力に近い負荷を繰り返すという方法が、一般的な筋トレでは行われます。
筋トレの適切な回数は?
1.等張性運動
運動の種類は色々ありますが、”ダンベルを上げたり降ろしたりする”ような、反復して行う運動(筋トレ)のことを「等張性運動」といいます。
等張性運動では回数がカウントできるので、RM(アールエム)という概念が適応できます。
RMでは、1RM(1回しか運動が行えない位の負荷)を基準とします。
「ダンベルを握って肘を曲げ伸ばしする運動」では、一回しか肘が曲げ伸ばしできない重さのダンベルを使って一回だけ運動することを「1RM」といいます。
筋肉を増大させるためには、最低でも約60%以上の負荷が必要だといわれています。
それでは、実際、どうやって筋トレの回数を設定したら良いのでしょうか?
2.1RMに対する負荷量と可能反復回数
【1RMに対する負荷量 反復回数】
- 100% 1RM
- 95% 2~3RM
- 90% 4~5RM
- 85% 6~7RM
- 75~80% 8~10RM
筋力増強効果がある負荷を与えたい場合、8〜10回、何とか繰り返すことができる運動負荷量が良いということになります。
11回以上反復できる運動であれば負荷が少なすぎるということになり、筋トレの効果は少ないといえます。
※年齢やお体の状況によって負荷をあえて下げて高頻度の運動を行う場合もあります。
まとめ
筋トレの方法についてまとめます。
筋トレとは、最大負荷に限りなく近い負荷量で運動を行い、筋繊維を破壊し、眠っている筋肉を呼び覚ます運動です。
筋トレによる大きな負荷で筋繊維が破壊されると、超回復と呼ばれる現象が起きます。
超回復とは、以前と同じ負荷で筋繊維が破壊されない様に筋繊維を太く、強くする生理的現象のことです。
RM(アールエム)という概念を理解し、負荷量を考慮すると簡単です。
その他、筋トレの負荷を考えるときに知っておくと良いことは以下になります。
- 高負荷で、少ない回数しか行うことのできない負荷を与える。
- 1セットの訓練では充分な刺激量を与えにくいので、数回に分ける。(3~5セット程度)
- セット間の休憩は30秒~1分程度が良いとされる。
- 関節の運動範囲をできるだけ大きく動かす。これにより多くの筋繊維に刺激を与えることができる。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
参考文献)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrmc/54/10/54_746/_pdf