体の部位の中で、意外と意識されない部位として「肩甲骨」があります。
肩甲骨は大きな可動域(動く範囲)を持っており、肩周りの筋肉の多くがここに付着しています。
肩こりや首こりにも大きく関係しており、意識的に動かすことで多くのメリットがあります。
今回は、そんな肩甲骨の機能と運動方法についてご紹介します。
肩甲骨の特徴
肩甲骨は、肩関節の土台とも呼べる部位です。
肩甲骨には、
- 鎖骨
- 上腕骨(肩に近い腕の骨)
が関節を通して付着しています。
また、肩甲骨には肩こりの元となる、僧帽筋(首の付け根の筋肉)や菱形筋(背中の筋肉)などの筋肉を含む18種類もの筋肉が付着しており、肩甲骨を動かすことで肩こりの改善に大きな効果があります。
肩や首回りの筋肉はほとんどが肩甲骨に付着しており、肩甲骨を動かすことでそれらの筋肉を刺激することができます。
肩甲骨の動き(可動域)
肩甲骨は、
- 内転
- 外転
- 上方回旋
- 下方回旋
- 挙上
- 下制
など6種類の動きが可能で、非常に可動域の広い柔軟性のある部位です。
しかし、日常生活の中で上述の全ての可動域を使う機会は少ないです。
肩関節の大きな可動域を必要とする生活動作は、
- 物干しなど自分よりも高い位置に腕を上げるとき(洗濯物を干す、電球を変えるなど)
- 入浴時に自分で背中を洗うとき
くらいです。
それ以外は大きく動かす機会がとても少ないため、肩甲骨周囲の筋肉は血行不良になりやすいのです。
肩甲骨と姿勢の関係性
骨盤矯正の流行で、「骨盤の位置=姿勢の良さ」と思っている方も多いと思いますが、実は骨盤と同じく肩甲骨の位置も姿勢に重大な影響を与えています。
背中が丸くなって猫背になると、肩甲骨は重力によって体の外側に落ちてきます。(肩甲骨外転位)
この状態で長時間過ごしていると、肩甲骨周囲の筋肉の緊張が高まり、肩や背中、首のこりに繋がる可能性が高くなります。
肩甲骨を適切な位置に保つことで自然と姿勢も良くなり、姿勢不良が原因の体の不調を防ぐことができます。
肩甲骨を意識的に動かす運動
生活の中でどうしても動かす機会が少なく、血行不良になりやすい部位である肩甲骨周囲の筋肉。
そんな肩甲骨を意識的に動かす方法をお伝えします。
肩甲骨引き寄せ
座った状態で両肘を曲げ、肘を背中の後ろに引きます。
前からみると"胸を張る"状態になり、背中は肩甲骨同士がくっつくように近づいています。
普段は外転していることが多いので、時々このように内転させることで緊張している筋肉を緩和させ、血行を改善します。
肩すくめ
両肩をすくめるように肩甲骨を挙上させ、肩を挙げたまま5秒程度保持したら降ろします。その動作を繰り返します。
肩をすくめる動作は肩こりの原因となりやすい僧帽筋上部繊維の収縮を促すため、肩こりに効果的です。
肩回し
両肘を曲げ、肘を肩の真横で大きな円を描くように動かすことで、肩甲骨が全方向に動きます。
肘でできるだけ大きく円を描くことがポイントです。
まとめ
肩甲骨は普段あまり意識されることはありませんが、
- 肩こり・首こり
- 姿勢
- 腰痛
などにも関係している重要な骨です。
意識して運動してみることで症状の緩和に繋がります。
ぜひ参考にしてみてくださいね。