寒い時期になると多くの方が悩まされるのが、冷え性による手足の冷たさです。
特に筋肉量が少ない女性は冷え性に悩まされやすい傾向にありますよね。
今回は体の冷えのメカニズムと冷えの解消法についてお伝えします。
冷え性の原因(体の熱の発生源)
肝臓と骨格筋による物質代謝に伴う化学反応によって人体では熱の産生が起きています。
この熱は血液循環によって全身に伝えられます。
しかし、冷え性の人の場合、血液が手足などの末端にまで十分に循環がしないため、熱が伝えられず冷たくなってしまうのです。
熱の喪失は血管からの、
- 放射
- 対流
- 伝導
という作用で起こるとされています。
伝導は普段の生活であまり起こりませんが、プールや水風呂に入ってるときに体温が水に伝導して奪われている状態のことをいいます。
この他にも、尿、便、呼気からも僅かですが熱の喪失があります。排尿する時に身震いするのも、この熱喪失による生理的反応です。
これらは受動的熱喪失と呼ばれます。
一方、積極的熱喪失では、
- 蒸発
があります。
これは発汗による水の蒸発のことです。
気温が高い夏などでは、熱喪失の実に90%以上がこの発汗によって行われます。
発汗は汗腺から行われ、口唇部と爪を除いて全身に分布しています。
ちなみに、汗は運動した時だけでなく、感情的に高ぶった時にも発生します。
特に、会議などで精神的に緊張すると汗が流れることで分かるように、汗腺は
- 腋下
- 手掌部
- 足底部
に多く分布しており、額にもかなり多く分布しているとされています。
人体が運動した時の機械的な効率は25%以下と言われており、発生するエネルギーの75%以上が熱となります。
運動をすると核心温度が上昇します。すると体内の酵素の活性化と結合組織(筋・腱など)の柔軟性が向上し、運動が一層行いやすくなります。
いわゆる準備運動の段階ですね。
それを超えると、核心温度と皮膚温度の上昇に伴って発汗が促されます。
冷え性の解消方法
上述の人体の体温調節のメカニズムを考慮すると、
- 手足などの末梢が冷えやすい
- 血流が悪いと冷えやすい
- 運動(骨格筋による熱生産)が行われないと冷えやすい
- 冷たいモノに触れていると冷えやすい(熱伝導)
といえます。
よって、その対処方法は、
- 手袋、靴下などで末梢を保温する。同時に核心温度が下がらないように、首などの露出しやすい部分も保温する。
- 血流を良くするために、特に循環が滞りやすい末梢部のマッサージや運動を行う。
- 冷たい床などに末梢部分が長時間触れる場合は、スリッパや靴などを履いて熱伝導を遮る。
です。
まとめ
冷え性には保温と血流改善、筋肉を収縮させる運動が冷え性対策に有効です。ぜひ参考にしてみてください。