市販薬の長期連用とリスクって?薬は用法・容量を守って正しく使いましょう

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新型コロナウイルスへの感染を避けるため、約5割の方が定期的な病院受診を控えているそうです。
一方で、頭痛や風邪症状などに対して、受診せずにドラッグストアやコンビニなどで市販薬を購入し、対処している方が増加しているそうです。

市販薬といえば、「効果が軽い薬」と考えがちですが、実はそうではありません。
用法・容量を守って正しく使用しないと、強い副作用や別の病気を発症する可能性もあります。

市販薬の長期連用のリスク

市販薬を漫然と使い続けることは、副作用の発現や新たな疾患の発症、状態の悪化などのリスクが高まります。
ですので、多くの商品の「してはいけないこと」欄に長期連用を禁止する文言が記載されています。

市販薬を長期連用した場合のリスク

  • 使用した市販薬の副作用の発現
  • 記載された副作用以外で、肝臓や腎臓の機能低下
  • すぐに治療を受けるべき疾患の症状を隠してしまう可能性

肝臓や腎臓は長期的な医薬品の摂取により、疲弊します。
現在健康であっても、不必要に医薬品を摂取し続けることで肝臓や腎臓を弱らせてしまうかもしれません。
また、市販薬を使用し続けることで、治療を受けるべき疾患を隠してしまうことがあります。
たとえば、胃や十二指腸に潰瘍などがあっても、市販薬に胃の粘膜を保護する作用がある場合、症状を隠して発見を遅らせてしまうことになりかねません。

長期連用はどのくらいの期間?

市販薬は基本的に、その症状に対して一時的に対処する「対処療法」です。
続けて飲んでも症状が改善されない場合や、一度は改善されたものの服用をやめると症状が再発する場合は医療機関にかかる必要性があります。
では、その「続けて飲む」の期間はどれくらの期間になるのでしょうか?

長期連用の期間

一般的には2週間~1か月とされています。
しかし、薬によっては「5、6回服用しても改善がない場合は医療機関に相談すること」といった注意書きがあるものもあります。
また、下記の市販薬は短い期間でも長期連用とされる薬です。

  • 鼻炎薬・・・1週間以上
  • 皮ふ用薬・・・5~6回以上
  • せき止め薬・・・5~6回以上
  • 睡眠改善薬・・・2~3日以上

*製造メイカーや年齢、体質によって期間は多少前後します。

市販薬はそもそも長期使用を想定して作られていません
上述したように、症状が改善されない場合や再発した場合は医療機関へ相談に行きましょう。

「市販薬=軽い薬」は間違い!?

医師が処方する薬は基本的に「単剤」です。
単剤とは、1つの成分のみによって作られた薬のことです。
症状にピンポイントに効果があり、副作用の発現頻発度や重篤度が低いです。
ただし、効果が薄かったり、薬剤に対する耐性ができやすかったりというデメリットがあります。

一方、市販薬は「合剤」であることがほとんどです。
合剤は複数の成分を組み合わせて作られた薬のことです。
幅広い症状に効果があり、高い効果を発揮します。
しかし、思わぬ副作用が発現したり、肝臓や腎臓の機能を低下させるリスクが高くなったりなど、決して「軽い薬」ではありません。

複数の市販薬の摂取

飲んだ薬の効果が薄いからといって、すぐに別の製造メイカーの薬を飲んだりしていませんか?
例えば、朝にA社の鎮痛剤を飲み、お昼にB社の鎮痛剤、夜にC社の鎮痛剤を飲むなどです。
たくさん飲めば、それだけ高い効果を得られそうな気がしますが、そうではありません。
それぞれの製造メイカーによって薬の成分が違うので、一部の成分が過剰摂取になってしまったり、他の成分の効果を打ち消す成分が入っていたりすることがあります。
また、飲み合わせによっては症状が悪化したり、体調を崩したりするなど、新たな症状が発現する場合もあります。
これは市販薬に限った話ではなく、漢方薬やサプリメント、ハーブなどでも起こりうるケースです。

特に飲み合わせに注意が必要な薬

・効き目が必要以上に強まる(過剰作用)

よく似た成分の薬を複数飲むと、効き目が強すぎたり、内臓障害を起こしたりする可能性があります。

  • 解熱剤
  • 鎮痛剤
  • 消炎剤
  • せき止め薬
  • 睡眠改善薬

などによく似た成分が含まれている場合が多いです。
重ねて飲むと強い眠気やめまい、意識がもうろうとしたり肝臓や腎臓が障害を起こしたりするので注意してください。

・効き目が弱まる

相反した作用を持つ薬を一緒に飲むと、効果を打ち消し合い、治療効果がみられなくなることがあります。

  • 「抗菌剤」と「胃腸薬(胃酸を中和するタイプ)」
  • 「非ステロイド系抗炎症薬」と「利尿剤」
  • 「降圧剤」と「喘息の治療薬」

こういった飲み合わせは過剰作用のような重大な副作用には結び付きにくいものの、病気が治りにくく、かえって危険な状態に陥ることがあります。

薬の飲み方・飲み合わせは、ぜひ医師や薬剤師に聞きましょう!

CMでもよく聞くように、薬は「用法・容量を守って正しく使う」必要があります。
市販薬の場合、外箱や中に入っている説明書に「してはいけないこと」の記載が必ずあるので、しっかりと確認してください。
また、症状に合わせた市販薬の選び方や、現在飲んでいる薬との飲み合わせなど、分からないことがあればドラッグストアや薬局にいる薬剤師さんや、かかりつけ医・主治医に聞いてみましょう。
お薬手帳を持参したり、現在飲んでいる市販薬の外箱を持って行ったりするのも良い方法です。
正しく飲んで、しっかりと治しましょう!

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