ぎっくり腰の原因と対処法

ぎっくり腰の原因 ぎっくり腰の対処法

重い物を持ったときに突然「ギクッ」っとやってくる痛み――ぎっくり腰。
激痛と体の自由が利かなくなる恐ろしい症状ですよね。
ドイツではその激しい痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれ、恐れられています。

ぎっくり腰とは?

ぎっくり腰は正式には「急性腰痛」と言います。
多くは重い物を持ち上げたときに発症しますが、お辞儀をした時や立ち上がろうとした時に発症するケースもあります。
また、ぎっくり腰は2~3日で痛みが治まるため、そのままにしてしまう方も中にはいますが、ぎっくり腰だと思っていたら椎間板ヘルニアや圧迫骨折だったという場合も多くあるので、発症した際は必ず整形外科へ受診してください。

ぎっくり腰の原因

ぎっくり腰の原因は人によって違い、骨のゆがみや腰の筋肉の脆弱性、過度な運動による筋肉負担など多岐に渡ります。
いずれにしても、腰に異常なストレスがかかっているときに発症します。
なので、年齢に関係なく、日頃から運動を十分にしていても、腰に負担が蓄積されているとぎっくり腰になる可能性があります。

ぎっくり腰はなぜ痛い?

では、ぎっくり腰はなぜ痛いのでしょうか。
それは、腰を支える靭帯(じんたい)や筋肉に急に負担がかかり、断裂を起こして神経を刺激するからです。いわば強い捻挫を起こした時と同じような状態です。
そのほか、腰の中央にある椎骨やその周りの関節包(膜)、椎間板などが傷つき、神経を圧迫することからも痛みが起こります。

ぎっくり腰になったときの対処法

ぎっくり腰になった直後

ぎっくり腰を起こしたすぐは、痛みによって立ち上がることはもちろん、動くことすら難しい場合がほとんどです。
そういった時は

  • 横向きに寝て腰を丸める姿勢を取る
  • 膝の下にクッションを入れて腰と膝を軽く曲げて寝る

などの姿勢を取ることで少し楽になります。
激しい痛みは2~3日すると軽減してくるので、それまでの間は自宅で安静にし、痛みが治まってきたら病院に行くようにしましょう。
自宅で安静にしている間はマッサージなどせず、湿布薬で痛みを和らげるようにします。
なぜなら、自己流で患部のマッサージをすると悪化につながる可能性があるからです。
また、ぎっくり腰は靭帯や筋肉の断裂による炎症を起こしているケースがほとんどなので、消炎作用がある冷湿布を貼り、お風呂などではあまり温めないように気を付けましょう。

痛みが落ち着いてきたら早めに病院へ

2~3日して動ける程度に痛みが落ち着いてきたら、まずは整形外科を受診しましょう。
椎間板ヘルニアや圧迫骨折の診断はもちろん、理学療法士などのリハビリテーション専門職から「痛み軽減ストレッチ・体操」を教えてもうことで治りが早まります。

ぎっくり腰になったとき、運動をしてもいいの?

ぎっくり腰になったらとにかく安静に……といったイメージがありますが、実は痛みが落ち着いたら早めに動きはじめることで回復が早まることが分かっています。
日常の家事を再開することも効果的ですし、上述したようにリハビリテーション専門職から教えてもらったストレッチや体操を行うことは治癒を早めるとともに、ぎっくり腰の再発防止にも繋がります。

ぎっくり腰の痛み軽減ストレッチ&筋トレ

痛み軽減ストレッチ&筋トレを2つご紹介します。
<ストレッチの注意点>
・痛みが強くある方は行わないでください。
・足やお尻にしびれがある、またはストレッチを行ったことでしびれや痛みが出てきた方はすぐに中止してください。
・腰部脊柱管狭窄症の症状がある方は行わないでください。

・腰反らしストレッチ

(1)枕を用意します。枕の短い面が顎の下にくるように置き、その上に腹ばいになって上半身を枕に載せます。
(2)その姿勢のまま、深呼吸を2~3回繰り返します。
(3)少しずつ息を吐きながら、ひじを立てて上半身を起こして腰を反らします。
    ※お尻や太ももに痛みが響く場合はストレッチを中止ください。
(4)ゆっくりと息を吐きながら元の姿勢に戻り、10秒数えます。この10秒の間に痛みが引けば、このストレッチを続けてください。
    ※痛みが引かない場合は中止してください。
(5)ひじを立てて腰を反らす→元の姿勢に戻って10秒休む。この動きを10回程度繰り返します。

・腰丸めストレッチ

(1)仰向けに寝て、手をお腹のあたりに置きます。
(2)少しずつ息を吐きながら、おへそを見るように上半身を少し上げます。その体勢で5秒程度止まります。
    ※強い痛みがある場合は中止してください。
(3)少しずつ息を吸いながらゆっくりと元の姿勢に戻ります。この動きを10回程度繰り返します。

ぎっくり腰の予防法

ぎっくり腰をなるべく起こさないため、日常生活の動作にも注意する必要があります。

  • 朝起きるときはすぐに体を起こさず、布団の中で横になって腰を丸めた姿勢を取ります。こうすることで椎骨の間が開き腰から背中の筋肉を伸ばすことができます。
  • 顔を洗うときは腰だけを曲げるのではなく、ひざも一緒に曲げます。これだけで腰への負担がかなり軽減されます。
  • 物を持ち上げたり、床から物を拾ったりするときは必ずひざも曲げましょう。
  • 急に伸びをしたり腰を捻ったりするような動作は控えましょう。伸びをすると腰がリラックスするように思えますが、急に動くことは逆に腰への負担になります。

 

まとめ

ぎっくり腰は2~3日で痛みが軽減しはじめ、1週間ほどで症状が落ち着いてきます。
激しい痛みがある間は安静にし、痛みが落ち着いてきたらストレッチや体操などの運動を行うことで治癒を早めることが望めます。
ただし、2~3日経っても

  • 強い痛みがある
  • しびれが出現した
  • 症状が日に日に強くなる

などの場合は別の病気が隠れている可能性があります。
早急に整形外科を受診しましょう。

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