家族に介護が必要になると、これまでの日常生活に大きな変化が生じるということは想像に難くありません。
そして、その変化によって、介護に疲れてしまうことは誰にでもあり得ることです。
今回は、介護疲れの4つの原因と介護疲れにならないための対策をご紹介します。
介護疲れの4つの原因
介護疲れの原因には主に4つの原因が考えられます。以下にご紹介します。①身体的負担
介護ではさまざまな場面で介護者の身体に負担がかかります。- 着替え
- 起床時の介助
- 移動時の介助
- 体位を変えるための介助
- 入浴の介助
- 食事の介助
介護の状況によっては夜間の介護も必要なことがあり、十分な睡眠が取れず身体の疲れが取れない場合もあります。
②精神的負担
介護が始まると、介護者と被介護者のやりとりだけでなく、親戚とのやり取りやケアマネジャー、サービス提供者、介護スタッフとのやり取りをする場面も多くなります。介護者はさまざまな立場の人と頻繁にやり取りする時間を作る必要があり、それが精神的な負担になることがあります。
③経済的負担
介護するための費用を捻出するため、介護者には当然経済的負担も掛かってきます。介護保険を利用することでほとんどのサービスが収入に応じて1割〜3割の負担で利用できますが、それ以外にも実費で諸々の出費が重なることがあります。
また、「介護離職」といって、親や家族の介護をするために仕事を退職しなければならないケースが社会的問題となっており、こういった場合は特に経済的な負担が大きくなってしまいます。
④認知症介護の負担
被介護者が認知症を呈している場合、徘徊やコミュニケーションの難しさなどから介護負担は増大する傾向にあります。介護疲れにならないための4つの対策
介護疲れが重なると、身体に倦怠感を感じたり、気持ちが後ろ向きになったりするなど、以前のように介護ができなくなることもあります。まずは、介護疲れによる負担を感じる前に介護疲れが起きないよう、予防することが何よりも大切です。
以下に介護疲れの対策を4つご紹介します。
①ひとりで悩まない
介護には多くの時間と労力が必要になるため、今まで関係性を保っていた人たちともこまめな連絡がとれず、いつの間にか孤立してしまっていることがあります。気軽に介護のことを相談できる人が周りにいない場合、どうしても視野が狭くなり、問題が起きたときに解決したりする方法が思いつかず、立ち往生してしまうということがあります。
そうならないために、介護について気軽に相談できる場を作っておく必要があります。
例えば、地域包括支援センターやケアマネジャーに頼るのも1つの方法です。
誰かに相談することで気持ちが楽になり、より良い解決方法に導いてもらえる可能性が高くなります。
②介護保険サービス、ケアプランの見直し
介護の状況は日々刻々と変化します。気づかないうちに現実に必要な介護と利用しているサービスの間でズレが生じてしまうこともあります。ケアマネジャーなどに相談し、現状に合ったケアプランに見直してもらうことも介護疲れを軽減する対策の1つとなります。
③施設への入居を検討してみる
被介護者の希望で在宅介護をしている方もたくさんおられるのではないでしょうか。その中には、話し合いが上手くいかないまま在宅介護になった方もいるかもしれません。
被介護者が在宅介護を希望している場合でも、介護施設がどのような場所分からずイメージだけで在宅介護を希望していることもあるので、じっくりと話し合うことが大切です。
特に被介護者の介護度が高かったり、医療依存度医療的な処置が日常的に必要だったりする場合、介護者の負担は大きくなり、在宅では十分にケアができないこともあります。
したがって、一度施設入所も視野に入れることも検討してみてはいかがでしょうか。視点が変わり、良い方向に変化することも多いです。
④介護スキルを身につける
介護スキルがないことがストレスにつながっている可能性もあります。特に
- 移動介助
- 排せつ介助
- おむつ交換
また、被介護者と介護者との関係性が良くなれば、介護全般がスムーズになることもあります。
介護疲れにならないための4つの心得
介護疲れにならないためには、1人で抱え込まずに誰かに頼ることと、以下の4つのことが重要です。- がんばりすぎない(できるだけ楽ができるようにサービス等を利用する)
- 抱え込まない
- 弱音をはく
- 比較しない
心に余裕を持たせるためにも上記の4つを心得ておきましょう。
まとめ
介護は1人で悩まないのが鉄則です。特に在宅介護では、介護者である家族の存在が最も重要です。しかし、介護を担っている家族にも生活があり、社会的な役割があります。介護により、社会との繋がりが薄れていくことは何としても避けなければなりません。
介護疲れを引き起こさないためにも周囲の人を巻き込み、上手に頼っていきましょう。
介護者も被介護者とともに、できるだけ負担が少なく生活していける方法を探し続けましょう。
少しでも参考になれば幸いです。