今からできる!簡単な認知症予防法3選

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厚生労働省によると、2025年には認知症高齢者が730万人になるといわれています。
これは65歳以上の高齢者の5人に1人という計算になります。
2020年時点で全国の小学生が630万人ですから、それを大きく上回る状況です。

年齢を重ねるほど認知症になるリスクは高まっていきますが、ある日突然認知症になるわけではありません。
中高年のときから少しずつ脳の変性は始まっています。

ただ残念なことに、認知症は発症すると一部を除いて根治させることが大変難しい疾患です。
家族や周囲に心配をかけず、安心でいきいきとした老後の生活を送るためにも、認知症の予防を始めておきましょう。

 

認知症になるとどうなるの?

認知症になると日常生活の様々な場面で不自由が生じてしまいます。
認知症の種類や個人によって症状は様々ですが、主な症状をいくつか挙げてみました。

 

3つの中核症状

主な症状を「中核症状」といいます。

 

記憶障害

  • 何度も同じ話をする
  • ついさっき起きた出来事を覚えていない
など、近い記憶(近時記憶)が曖昧になっていきます。

 

見当識障害

  • 今日が何月何日かわからない
  • 馴染みの場所から自宅までの道が分からなくなる
など「時間」「場所」「人」に関する感覚が曖昧になっていきます。

 

実行機能障害

  • 料理の段取りが悪くなった
  • 複数のことを同時に進めることが難しくなった
など、物事を論理的に考えて計画的に行動に移すことが難しくなってしまいます。

上記3つの障害は認知症のほとんどの方に現れる症状で、中核症状と言います。

 

行動・心理に表れる症状(BPSD)

そしてこの中核症状がベースとなり、個人の生活歴や性格、周りの環境などの影響で現れるのが下記の行動・心理症状(BPSD)です。
こちらは個人で症状が大きく異なります。
  • 妄想
  • 徘徊
  • 興奮
  • 幻覚(幻視)
  • 暴言暴力
  • 不潔行為
  • 抑うつ状態 etc…
中核症状の例にあるように、認知症になると日常生活に様々な困りごとが生じてします。
その結果、
  • これまで楽しくできていたことが楽しめなくなる
  • 周囲に迷惑をかけるのではないかという不安から友人やご近所さんとの交流が減ってしまう
など、生活の充実感も低下してしまいます。
行動・心理症状(BPSD)が強く現れるようになると、本人だけでなく周囲を巻き込むことも多くなります。
介護の負担も増え、家族の介護疲れにもつながってしまいます。
このような負の連鎖に陥る前に、今から簡単にできる予防法をご紹介していきます。

 

簡単にできる認知症の予防法3つ

認知症の予防方法は主に3つです。

 

①運動

認知症予防に有効とされているものの1つ目が「運動」です。
WHO(世界保健機構)の認知症予防ガイドラインでも「身体活動は、認知機能正常の成人に対して認知機能低下のリスクを低減するために推奨される」と記載されています。
運動するときのポイントは2つ。
  1. 有酸素運動筋力運動を両方行う
  2. 体を動かしながら頭を使った活動も行う
有酸素運動によって脳への血流が増えて脳の活性化につながり、筋力運動は認知症予防だけでなく、肉体的にも転倒予防につながります。

そして、ただ体を動かすだけではなく、頭を使う活動を組み合わせるとより効果的です。
散歩しながら計算やしりとりをすることが、認知症の予防方法としてテレビなどでもよく紹介されていますね。

個人的には周りの景色を実況しながら歩くのもおすすめです。
その時に大切なのはしっかりと口に出すこと。より脳を広範囲に使うこととなり、予防効果が高まります。

 

②知的活動

知的活動とは、簡単にいうと認知機能を刺激する活動のことです。
認知機能といっても中身は様々で、
  • 記憶力
  • 注意力
  • 判断力
  • 思考力
  • 計算力
などが挙げられます。

私たちは普段の生活で無意識のうちに認知機能をフル活用しており、これらをまんべんなく鍛えておくことが認知症予防につながります。

 

▼認知症予防にオススメの知的活動

今回は簡単に趣味として取り組めるものをご紹介しましょう。
  • 塗り絵・絵画:空間のイメージをつかむ力(視空間認知)の維持に効果的です。
  • パズル・間違い探し:正しい配置を考えたり違いを見つけ出すことで注意力や判断力を鍛えてくれます。
  • 園芸:香りや触れた時の感覚が五感を刺激するだけでなく、季節のものを育てたり収穫することで季節感覚が養われます。
  • ボードゲーム:先の展開を考えながらゲームを進めていくことで、情報を保持しながら作業を進める能力(ワーキングメモリ)が鍛えられます。
  • 料理・楽器演奏:献立の段取りや演奏の手順などが実行機能の維持に役立ちます。
今回紹介したものはほんの一例です。
元々趣味がある方であればそれを続けてみるのもいいでしょう。
その中で少しの時間を新しい活動に充ててみることで、まんべんなく脳の機能を活性化することができます。

知的活動をする際のポイントは以下の通りです。
  1. できれば家族や友人と楽しむ
  2. 様々な活動をすることでいろんな機能を鍛える
  3. 自分が楽しんで続けられるものを行う
知的活動は楽しく続けられることが一番です。
楽しいことは習慣となり、それが日常的な予防につながります。周りも巻き込みながら様々な活動に挑戦してみましょう。

 

③コミュニケーション

おすすめの予防法の最後に紹介するのが「コミュニケーション」です。
私たちは普段、無意識のうちに周囲とコミュニケーションを取っていますが、これはとても高度な活動であり、脳の様々な場所を活性化させています。

積極的に他者と関わる習慣を持つことで、うつ状態や社会的孤立を防ぎ脳の活性化と心の健康にもつながります。
この時に大事なポイントは以下の2つです。
  1. 毎日誰かと一言は会話する
  2. できれば親しくない人にも声をかけてみる
最近はコロナ禍の影響もあり、一日中テレワークで誰とも会わない人もいるかもしれません。高齢者の場合、配偶者に先立たれ、子供は独立して一人暮らしということも多いです。
認知症予防という視点で考えると、誰とも話さず一日を過ごしてしまうの最も避けたいパターンです。自分のできる範囲で良いので、意識しておしゃべりする機会を持ってください。

 

▼"親しくない人"との会話で脳が活性化!

そして「親しくない人」と会話することもおすすめです。
親しい相手だとその人のことが分かっているので、頭で深く考えずに会話できてしまいます。
しかし、あまり知らない相手だと、相手のことをより考えながら会話するので、必然と頭を使うことになります。

人見知りで話しかけることがストレスという人もいるかもしれません。
そんな時は店員さんに話しかけるとか、最近会ってない友人や家族に電話してみるなど、簡単にできそうなことから始めるといいでしょう。

 

まとめ

今回は今すぐにでも取り組める認知症の予防法を3つ紹介しました。
認知症の予防法ではありますが、3つの活動は普段の生活を充実させるヒントにもなっています。
まずは気軽にできそうなことから始めて、充実した人生を過ごせるようにしていきましょう。
 

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