肩こり解消には運動が必要!


あなたはツラい肩こりを経験したことがありますか?
厚生労働省が実施した平成 28 年度国民生活基礎調査によると、病気やケガなどで感じる自覚症状のなかで、
  • 女性:1 位
  • 男性:2位
に上がっているのが「肩こり」です。
この結果からも、男女ともに多くの人が肩こりに悩まされていることがわかります。

肩こりが酷くてつらいとき、真っ先に思いつくのはマッサージ――いわゆる「肩もみ」ではないでしょうか?
肩こりがつらい時にマッサージを受けると気持ちがいいですし、楽になったような気がしますよね。
しかし、次の日に「もっともんでほしい」と感じたり、余計に肩が硬く重くなったりした経験はありませんか?

実は、マッサージや肩もみは、肩こりの解消法として最適ではない場合もあります。

 

強すぎるマッサージは筋肉を痛める恐れも

ガチガチに硬くなった筋肉を強い力でマッサージすると、筋肉の組織を傷つけしまう場合があります。
傷ついた筋組織は、修復の際に組織を守ろうとして更に硬くなります。
つまり、過度なマッサージは肩こりをさらに悪化させる原因にもなりうるのです。

 

肩こりってどんな状態?

まずは、肩こりとはどのような状態なのか簡単に解説します。
肩こりとは、
  • 首から肩の筋肉が緊張して動かない状態
  • 血行が悪く、老廃物が排出されない状態
です。

 

肩こりになってしまう原因とは?

このような状態に体が陥ってしまう原因として、
  • 同じ姿勢を長時間続ける
  • 筋力の低下
  • 筋肉の柔軟性の低下
などが挙げられます。

 

首や肩の筋肉は重たい頭を支えている

同じ姿勢を長時間続けているとなぜ肩こりになるのでしょうか?
私たちは生活の中で、
  • スマホの使用
  • 車の運転
  • パソコンでのデスクワーク
など、前かがみで長時間作業をすることが多くなっています。
成人の頭の重さは、およそ体重の10%ほど言われ、一般的に約 4~6㎏の重さがあると言われています。

更に前かがみになると、その2~3倍の負荷が首や肩にかかるのです。
つまり、首や肩はボウリングのボールと同じ重さの頭をずっと支えているような状態です。
同じ姿勢を長時間続けるていると、筋肉が緊張してカチカチになってしまうのが容易に想像できますね。

 

猫背は筋力低下のサイン!首と肩にさらに負担をかける

前かがみの姿勢、いわゆる猫背姿勢は首と肩にさらに負担を掛けます。
その原因となっているのが“筋力低下”です。
実は私たちが日常生活を送る中で、手を頭の上の方に上げたり、体を反らしたりするような動作はほとんどありません。
つまり、体の前側の筋肉は比較的多く使いますが、背中側の筋肉はあまり使いません。
その状態が続くと、背中側の筋肉は伸びた状態となり、収縮が減ってしまうために筋力が低下してしまいます。
その結果、よく使う胸側の筋肉とあまり使われない背中側の筋力とのバランスが崩れて普段の姿勢も前かがみとなり、いわゆる猫背という不良姿勢を招きます。

 

筋肉の柔軟性が低下すると血流も悪くなる

筋肉は伸び縮みを繰り返すことで柔軟性を保っています。しかし、 硬くなった筋肉は血管や神経を圧迫してしまいます。
血流が悪くなると疲労物質などが流れにくくなり、神経を刺激して、こわばりやだるさなどの症状を引き起こしてしまします。

 

肩こりを改善するにはどうすればいいの?

肩こりをを改善するには運動が最適です。
運動することで、長時間同じ姿勢になることを防ぐことができます。
また、筋力を鍛えることができ、筋肉の柔軟性も維持することができます。

 

肩こりを解消する運動とは?

肩こりを解消する運動のポイントとしては、筋肉に強い負荷を掛けることを目的にするより、筋肉を動かすことを意識するとよいでしょう。
ハードなトレーニングよりもウォーキングランニング水泳など全身をバランスよく使う運動がおすすめです。
普段動かさない筋肉を動かすことで、血流の改善、姿勢の改善につながります。
また、筋肉を収縮・伸張する(ストレッチ)だけでも筋力の強化につながります。
運動を行うことが難しい人は、作業の合間などに軽い体操を行うのもおすすめです。
※肩に痛みがある人、腕や手にしびれがある人、安静にしていても肩が痛む人は体操を行わず、医師の診察を受けることをおすすめします。

 

座ってできる簡単肩こり体操

座ってできる肩こり解消に役立つ運動をご紹介します。
  1. 首を前後左右に 10 秒ずつ倒す。(倒している反対の筋肉を伸ばすようにする) 
  2. 腕を前後に10 回ずつ回す。 
  3. 片手を横に広げ、真横に側屈をしていく。 
  4. 両手を胸の前で組み、組んだ手の中におじぎしていく。肩甲骨の周囲が伸びるのを感じながら 10秒程度伸ばす。 
  5. お尻の後ろで手を組み、肘を伸ばしたまま、胸をはっていく。10 秒程度伸ばす。 
  6. 片手ずつ、大きく前後に腕を回す。前後 5 回ずつ。
体操を行うときはゆっくりとした動きで行い、痛みがある場合は体操を中止してください。
首や肩に少し疲れを感じた時にやってみてください。理想として、1時間に1回くらいは体を動かすことをおすすめします。

 

まとめ

今回ご紹介した体操は、どれも少しの時間で簡単にできる運動ばかりです。
すべてやる必要はないので、「気持ちいいな」と思う体操や「ちょっと動かしにくいな」と思う体操だけでもやってみてください。
続けることで、つらい肩こりには体を動かすことが大切だと実感できると思います。
 

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