年齢を重ねると、どうしても
- 疲れやすくなる
- 足腰が痛くなる
- ふらつき・つまずきが増える
これらの悩みを解決するのが「歩行補助具」 です。
しかし、歩行補助具といっても種類がたくさんあり、選ぶのは簡単ではありませんよね。
特に、「シルバーカー」と「歩行車」は種類が多いです。
そこで今回は、シルバーカーと歩行車の違いや特徴を詳しく解説します。
この記事を読めば、歩行者とシルバーカーの違いがはっきりと分かるようになり、友達や家族、そして自分自身が使用を検討する時に役立ちます。
歩行補助具ってなに?
歩行補助具とは、杖や歩行車・シルバーカーなどを指し、歩く時に使用される道具のことです。加齢やケガ・病気などで、歩くことが難しくなった方が使用します。
歩行補助具には、大きく分けて3つの役割があります。
- 安全に歩く補助をする
- 足腰の負担を軽減する
- 歩ける距離を延ばす
例えば、杖は手軽に使えますが、身体をしっかりと支えるには不向きです。
歩行車は大きいですが、身体をしっかりと支えたい人には向いてきます。
このように、使う目的や環境に合わせて、適切な歩行補助具を選ぶ必要があります。
歩行車・シルバーカーはどんな人が使うの?
歩行車・シルバーカーは、杖と比較すると両手で身体を支えられるので、歩行時の安定性が高いことが特徴です。荷物入れのかごがついているタイプが多く、買い物をするときにも非常に便利です。
また、折り畳みのできる休憩用のイスが付いたタイプもあるので、疲れやすい方も安心して利用できます。
ただし、デメリットとして、どちらも大きな作りになっているので、バスや電車をよく使う方、狭い道や人通りが多い場所を頻繁に歩く方には使いにくい場合があります。
まとめると、
歩行車・シルバーカーは、
- 体をしっかりと支えてくれる
- 荷物入れが付いているので、買い物に向いている
- かさばるので、公共交通機関や人混みでの利用は制限される場合がある
歩行車とシルバーカーの違いを5つのポイントで徹底比較!
ここまで、歩行車・シルバーカーがどんな方に使われるかを説明してきました。では、具体的にどこが違うかを比較していきます。
まず、一般財団法人 製品安全協会による歩行車とシルバーカーの定義があります。
歩行車の定義
歩行の安定性確保、又は支持のために用いるもの。体重を支えて移動するもの。
シルバーカーの定義
自立歩行可能者が対象。品物の運搬、及び休憩に用いるもの。
このように、
- 歩行車・・・歩行が自立できない方が身体を預けて使用するもの
- シルバーカー・・・歩行が自立している人が荷物などを運搬する際に使用するもの
外観・構造
歩行車は、ハンドルが「コの字型」となっており、身体を囲むような形となっています。身体を支えやすく、体重をかけても安定する構造となっているものがほとんどです。
一方、シルバーカーはハンドルが「バー型」となっています。
構造上、歩行車と比べると身体を支えにくく、体重をかけすぎると前輪が浮いて不安定になる可能性があります。
それぞれハンドルの形を見ると、簡単に見分けることができるんですね。
対象者
シルバーカーは、荷物の運搬を主な目的として開発されています。そのため、歩行補助の役割が主体ではありません。
先ほどもお伝えした通り、しっかりと体を支えられる構造ではないので「自立して歩ける人」が対象となります。
歩行車は、歩行の補助が主な目的であるため、
- 疲れやすい人
- 歩くと足腰が痛くなる人
- ふらつき・つまずきが多い人
足腰への負担
シルバーカーはあまり体重をかけられない構造になっているため、 十分に身体を支持することは期待できません。ただし、T字杖よりは身体を支えることができるので、そこまで足腰に痛みがない方には検討の余地があります。
一方、歩行車は身体を支える力があり、
- 股関節
- 膝関節
- 腰
また、腰を伸ばしにくい方でも歩行車を支えにして良い姿勢で歩けるようになる可能性があります。
安定性(バランス)
シルバーカーもある程度の歩行の安定性向上が見込めます。よくふらつく人・つまづく人は、シルバーカーを利用することで転倒を防げる可能性があります。
しかし、より転倒予防の効果が高いのは歩行車です。
歩行車は安定性もあり、身体を囲い込む構造になっているため、より安定性が高くなっていま す。
介護保険が使えるか
シルバーカーは介護保険が使えないので、もし利用する場合は全額実費で購入するしかありま せん。一方、歩行車は介護保険を使えるので、福祉用具貸与でレンタルすれば、自己負担額が1割〜3割で利用することができま す。
まとめ
歩行車とシルバーカー、形はとても似ていますが性能は全然違います。- 歩行車は「コの字型」のハンドルで、歩行の補助を目的に使うもの
- シルバーカーは「バー型」のハンドルで、自立して歩ける方が荷物運搬を目的に使うもの
もし自身や身の回りの方が歩行補助具の導入を検討しているなら、ケアマネージャーや福祉用具専門相談員に相談してみてはいかがでしょうか。
ぜひ福祉用具を有効に活用してください。
参考)http://www.techno-aids.or.jp/research/vol12.pdf(財団法人テクノエイド協会:歩行補助用具の活用)