手軽で効果的な「椅子スクワット」の方法と太ももを鍛えることで得られるメリット


人生100年時代と呼ばれる昨今、健康のために運動習慣を確立することは必須となっています。
そこで今回は、効果的な運動方法についてご紹介します。

 

運動習慣が必須の時代に

健康的にいつまでもイキイキと生活するためには、運動を活用することがこれからの時代の必須となります。
そもそも運動習慣がある人とない人では、肉体的・精神的な余裕が全く異なります。
運動習慣がある人は、
  • 老化がゆっくりになる
  • 歳を重ねても筋肉量が保たれる
  • 集中力が高い
  • 根気強い
  • 認知症になりにくい
  • 鬱などのメンタル不調になりにくい
などなど、メリットをあげればキリがないくらいです。
むしろ運動をしないのは損でしかありません。

運動量を増やせば、筋肉や関節に対して良い効果があるだけではなく、各種ホルモンの分泌も盛んになるため、自律神経を整えたり精神的に安定したりするなど、目に見えない部分でも大きなメリットがあることが科学的に証明されています。

 

どんな運動をすれば良い?理学療法士のおすすめ

では、 具体的にどのような運動をすれば良いのでしょうか?
厚生労働省のホームページを参照すると「週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動」を習慣にすることが推奨されています。

しかし、今まで運動習慣がなかった人がいきなり1回30分以上の運動を週2回以上行うのは少しハードルが高いかもしれません。
そこで、私(理学療法士)がおすすめするのは、自宅で簡単にできる運動「スクワット」です。

 

スクワットで鍛えられる筋肉

スクワットは単純な運動に関わらず、足全体に負荷をかけることができ、
  • 大腿四頭筋
  • 内転筋群
  • 大臀筋群
に効果的に働きかけることができます。 

これらの筋肉は人体の全身の中でも1、2を争うほど筋肉量が多い場所で、スクワットを行うことで基礎代謝を大きく上昇させることができます。
肥満の予防・ダイエット・転倒予防・生活習慣病の予防など様々な効果が見込めます。 

 

スクワットの主な効果

スクワットの効果は主に以下の通りです。
  • 全身血流量改善
  • 集中力アップ
  • 代謝の向上
  • テストステロン値向上(やる気・気力の向上)
  • ダイエット効果
  • 転倒予防効果
  • 歩行能力の維持

 

最も安全で簡単な「椅子スクワット」の方法(やり方)

上述のようにスクワットは、最も簡単にできる筋力トレーニングのひとつです。
スクワット自体にも色々なやり方があるのですが、最も手軽で簡単な方法をご紹介いたします。

その方法とは、「椅子を置き、座った状態から立つことを繰り返すだけ」です。

椅子に座る動作のことを「着座動作」、立ち上がる動作のことを「立ち上がり動作」といいます。
これを反復することで膝関節に無理がかからずスクワットできます。
これはリハビリの臨床の現場でもよく使われている運動方法です。 

コツは着座動作の際に「ゆっくり座ること」です。
急激に腰を掛けると腰の骨(腰椎)に負担が掛かる可能性があります。
ゆっくりと座るに気を付ければ、安全かつ足の筋肉に大きな負荷を掛けることができます。

この「椅子スクワット」を1日30回(15回×2セットでも可能)以上を目安に行ってみてください。
心地よい疲労感があり、ふとももに効いていることが実感できます。

今まで全く運動していない人であれば、1ヶ月ほど続けると普段の生活で、
  • 踏ん張りが効くようになった
  • 疲れにくくなった
  • 歩きやすくなった
など、足腰が強くなっていることが実感できると思います。

 

スクワットを習慣化させるコツ

運動は習慣化しなければ大きな効果は望めません。そこで、習慣化のコツについても触れておきます。

行動や習慣を変えるときは「トリガー(何らかの動作を開始するためのきっかけとなるもの)」が必要です。

例えば、私達は普段の生活で歯磨きをする際、「風呂に入ったら歯ブラシに歯磨き粉を付け、歯を磨く」ということを無意識的に行っていたりします。
これは意思の問題ではなく、「入浴する」という刺激に対して無意識に反応しているだけなので、毎日歯磨きを習慣的に行うことができているのです。
運動習慣も歯磨き習慣と同じで、なんらかのトリガーをきっかけに始めるようにすると、習慣化しやすいことが科学的に分かっています。

私も実生活でこの「トリガー理論」を利用して多くのことを習慣化していますので、その一例をご紹介します。

スクワットを始めるトリガー(きっかけ)として、
例えば、
  • 外出中にエレベーターに乗ったとき一人になったら
  • 夕方のニュースをテレビで見ているとき
  • 自宅でコーヒーを入れるためにお湯を沸かしている間
などを設定しておきます。

このトリガーは、その人の生活習慣の中で少し暇な時間が発生する時間に設定しましょう。
設定といっても難しいことは一切なく「自分はこの『きっかけ』でスクワットする!」と決めてしまうだけです。
私は今までコーヒーを入れるときに何もせずただボーッとしていましたが、「お湯を沸かしている間」をトリガーに設定したことで、効率的で効果的にスクワットができています。

 

まとめ

健康習慣を身につけるためにおすすめの運動として、最も手軽で効果的な運動「椅子スクワット」についてお伝えしました。
スクワットを習慣化することで、人体で最も大きい筋肉である、ふともも周りの筋肉を鍛えることができ、基礎代謝の向上、生活習慣病の予防、歩行能力の維持、転倒予防など様々な効果が見込めます。

「スクワット(無酸素運動)」の習慣化ができてくれば、次はややハードルが高い屋外の「ウォーキング」などの有酸素運動を習慣化していきましょう。
その際は、初めは歩く時間や距離を決めず、気軽に行ってみてください。
義務感で歩くのではなく、とにかく屋外を歩く気持ちよさを全力で感じるようにしてみてください。

歯磨きも、磨いたあとの爽快感を味わいたくなるときがあると思いますが、スクワットやウォーキングも全く同じです。
その行動が「気持ち良い」と認識できるようになれば、習慣化することは簡単です。

ぜひ運動習慣を普段の生活の中に取り入れてみてくださいね。

一覧へもどる