ロコモティブシンドロームとは?健康寿命を伸ばすための予防法は?

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現在日本人の平均寿命は伸び続けており長生きする人が増える一方、介護や支援が必要な高齢者も増えてきています。
介護や支援の必要がない「健康寿命」を伸ばすために、ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)が注目されています。

この記事では、ロコモはどういう状態のことを指すのか、予防法はどのようなものがあるのかについて紹介します。
ぜひ最後までご覧いただき、生活の参考にしてみてください。

 

ロコモティブシンドロームとは?

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、骨や関節、筋肉などが衰えて1人で立ったり歩いたりすることが困難になる、あるいは困難になる可能性が高い状態のことを指します。
ロコモが進むと、寝たきりになったり介護が必要な状態になります。

ロコモ対策としては食生活や生活習慣を整えて健康を維持、軽い運動を取り入れることです。

軽い運動としてロコモーショントレーニング(ロコトレ)という、関節に負担をかけずに筋肉を鍛えるトレーニングが考案されています。
しかし、2020年の段階でロコモを認知している人の割合は43.8%で、半数以上の人には知られていない状態です。
そこで、ロコモ予防やロコトレについて詳しく解説していきます!

 

ロコモの症状

ロコモの代表的な症状を以下に挙げていきます。

 

①骨粗しょう症・変形性膝関節症

ロコモを起因とする代表的な疾患として、骨粗しょう症や変形性関節症などがあります。
はじめは僅かな関節の痛みや筋力と衰えでも、放置しておくと重度の痛みやバランス能力の低下、さらには歩けなくなったり立てなくなったりといった、要介護の状態となってしまうことがあります。

 

②脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管がなんらかの理由で狭くなる病気です。
それにより脊柱管の中を通っている神経が圧迫され、痛みや痺れを訴える場合は多いです。

 

③変形関節症

関節内の軟骨がすり減り、関節炎や変形を起こすことで痛みが生じます。
進行すると関節の屈伸運動などが困難となり、日常生活に支障をきたします。
この症状が膝に現れると変形性膝関節症になります。

 

④骨折

骨の密度が少なくなり、骨折しやすくなることがあります。
見た目の変化が分かりにくいため、知らない間に進行することもあるため注意が必要です。

 

上記のような疾患が原因となり、痛みや痺れ、関節可動域制限(関節の動かしにくさ)、姿勢の変化、筋力低下、麻痺、バランス能力低下が引き起こされ、立ち座りや歩行能力が低下します。
進行することで1人で動くことが困難となり、生活や社会参加の制限、要介護の状態となります。

 

ロコモの判別方法

ロコモかどうかは、「ロコモ度テスト」と呼ばれる3つのテストで調べます。
テストの結果は、ロコモ度1、ロコモ度2…というふうに表され、ロコモ度3が一番の重症です。

 

①立ち上がりテスト

立ち上がりテストは下肢筋力を測定します。
片脚あるいは両脚で、10、20、30、40cmの台から大差出るかを測定します。
判定は以下のようになります。

 

★ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

どちらか一方の脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる

 

★ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台からは立ち上がれる

 

★ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

両脚で30cmの台から立ち上がれない

 

②2ステップテスト

2ステップテストでは、以下の手順で歩幅からロコモ度を測定します。

  1. スタートラインを決め、両足のつま先を合わせる

  2. できる限り大股で2歩歩き、両足を揃える(バランスを崩した場合はやり直し)

  3. 2歩分の歩幅(最初に立ったラインから、着地点のつま先まで)を測定する

  4. 2回行い、良かったほうの記録をチェック

  5. 以下の計算式に当てはめて2ステップ値を算出する

<計算式>2歩幅 (cm) ÷ 身長 (cm) = 2ステップ値
 なお、ロコモ度は以下の通りです。

 

★ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

2ステップ値が1.1以上1.3未満

 

★ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

2ステップ値が0.9以上1.1未満

 

★ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

2ステップ値が0.9未満

 

③ロコモ25

身体の状態や生活状況からロコモ度を測定するのがロコモ25です。
Q1からQ4ではこの1ヶ月のからだの痛みなどについて、Q5からQ25 ではこの1ヶ月のふだんの生活についての質問があります。

[参考│ロコモ25

合計得点によってロコモ度が3つのタイプに分類されます。

 

★ロコモ度1(移動機能の低下が始まっている状態)

7点以上16点未満

 

★ロコモ度2(移動機能の低下が進行している状態)

16点以上24点未満

 

★ロコモ度3(移動機能の低下が進行し、社会参加に支障をきたしている状態)

24点以上

 

ロコモの予防と対策は?

ロコモは回復できるのが最大の特徴です。
ロコモの予防、改善に重要なのは、運動習慣と適切な栄養摂取です。

 

運動

身体の機能は、普段の生活から体を動かして負荷をかけることによって維持されます。
そのため、ロコモを防ぐためには若い頃から運動する習慣をつけ、身体を大事に使うことが大切となります。

スポーツ庁が出しているデータによると、毎日運動習慣のある50歳の人は、全く運動習慣のない30歳の人よりも体力があると言われています。
また、「ロコトレ」と呼ばれるロコモを予防できる簡単なトレーニングもあります。
是非参考にしてみてください。

 

食事

筋力を維持する上で運動習慣は重要なのは先に述べた通りですが、食事もロコモ予防の観点で非常に重要です。
運動を行うことと、たんぱく質とカルシウムを十分に含んだ食事を摂取することで、健康寿命を伸ばすことができます。
足腰の筋力を保つことで、骨粗鬆症の予防・膝や腰の痛みの予防と改善に繋がるので、メリットは非常に大きいです。

 

まとめ

この記事では、ロコモについてと説明と簡単な見分け方、予防方法について紹介しました。
まだまだ認知度の少ない言葉でありますが、平均寿命が伸びている現状、全員に関係のあることです。

この記事をきっかけに少しでも運動習慣を取り入れていただければ幸いです。

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