あなたは「呼吸」を意識したことはありますか?
呼吸を変えることで、健康に大きな影響があることが分かっています。
今日は、呼吸について最先端のお話をしたいと思います。
(2022年10月現在)
良い呼吸ってどんなもの?
あなたは「良い呼吸」ってどんな呼吸だと思いますか?
例えば「深呼吸をしましょう!」と言われたことはないですか?
- 大勢の前で話をするとき……
- 試験に臨むとき……
など、リラックスしたいときに深呼吸をするかもしれません。
状況に応じてその時に最適な量で酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出できる呼吸方法を「良い呼吸」といいます。
胸式呼吸と腹式呼吸
呼吸には
- 腹式呼吸
- 胸式呼吸
の2種類があります。
2つの呼吸を状況に応じて使い分けることが重要です。
胸式呼吸
胸(胸郭)を動かして呼吸をする方法。
腹式呼吸
胸郭を動かさずに腹部を動かして呼吸する方法。
この2つの呼吸を状況に応じて使い分けることも「良い呼吸」です。
たとえば、運動している時と寝ている時で呼吸の仕方は違って当然です。
呼吸の深さや頻度は、脳からの伝達により、普段は無意識でコントロールされていますが、状況を意識的に見て変えることもできます。
休んでいる時の呼吸の筋肉は、横隔膜、肋間筋、骨盤底筋群が収縮します。
反対に運動をしている時は、首や肩、胸、背中などの筋肉も積極的に使われます。
睡眠時には首や肩の筋肉が働いてしまうとリラックスできず、しっかりと睡眠がとれなくなってしまいます。
つまり、状況や必要なときに呼吸を変えなければいけないということになります。
あなたの呼吸チェック
以下の症状があると呼吸する力が低下しているかもしれません。
自覚症状
- 呼吸が苦しいことがある
- 口が開いていることが多く、口呼吸をしている
- 手足が冷たい。または痺れることがある
- 疲れが溜まりやすいと感じることがある。
- 集中力がないと感じることが多い。
呼吸量のチェック
呼吸量が平均と比べてどうか?
簡易的にチェックする方法があるのでご紹介します。
▼チェック方法
①いつも通りの呼吸で息を吐きます。
②吐いた状態で鼻をつまみ、息を止めます。
③そこから息を吸いたいと感じるまでの時間を測定してます。
※過剰に我慢しないでください。唾液を飲み込みたくな直前まで時間を計りましょう。
●10秒未満の場合
呼吸量が非常に多い。酸素供給ができていない可能性が高い。
●10秒から20秒未満の場合
運動や精神的ストレスがかかると、息切れ、ぜんそく、疲労などの症状が出る可能性が高い。
●20秒から40秒未満の場合
呼吸量の問題はほとんどなし。しかし、理想的な酸素供給とは言えない。
●40秒以上の場合
理想的な呼吸量。
肺に取り込める空気量のチェック
できる限り、息を吸ってから息を止めます。限界まで息を止めれる時間を測定します。
●40秒以下の場合
呼吸機能の低下がある。
●41から59秒の場合
呼吸機能に問題はないが、改善する所もある。
●60秒以上の場合
理想的な数値。
安静時の呼吸状態のチェック
①仰向けに寝て、両膝を曲げ、足の裏を床につける。
②両手はお腹の横に当てる。
③息を吸うときに、お腹がどう動いているか確認する。
●お腹が横に向けて膨らんでいる場合
安静時の呼吸が正しくできている可能性が高い。
●お腹が横に向けて動かない、膨らみが少ない場合
呼吸が乱れている可能性がある。
●お腹が凹む場合
呼吸が乱れている可能性が高い。
●お腹が横ではなく、前方へ膨らむ場合
腹筋が弱くなっている可能性が高い。
(お腹が前方へ膨らむということは、腹筋が弱ため圧が前方へ逃げているということ)
上述の簡易的なチェックを定期的に行うことで、現状の確認をしていくと良いかと思います。
特に息を吸うときにお腹が前方へ動いていると腹式呼吸ができていると思っている人が多いですが、実は360°お腹が膨らむのが理想です。
呼吸で大切なのは酸素より二酸化炭素?
不健康な人ほど「酸素」をたくさん取り入れているとの報告もあります。
実は、呼吸は酸素よりも二酸化炭素の排出の方が重要なんです。
体内に二酸化炭素が多いと、ヘモグロビンから酸素が離れやすくなってしまい(ボーア効果)、酸素を効率的に身体中に運ぶことができません。
呼吸を意識するときは、吸うことよりも吐くことを意識してみるといいですね。
とはいえ、もちろん深呼吸をしてはいけないということではありません。
山などの屋外で深呼吸をすることは、リフレッシュ効果がありストレスの軽減にも繋がります。
気持ちの良い環境ではぜひ深呼吸もしてみてくださいね。
口呼吸と鼻呼吸の違いって?
「口呼吸は健康に良くない」と聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは本当で、運動量の多いときは口呼吸をしないと酸素供給が追い付きませんが、それ以外の安静時は鼻呼吸がおすすめです。
口呼吸のデメリット
①虫歯、口臭の原因となる
口呼吸をすることで、口が乾きやすくなります。
そのため、口の中が酸性になり虫歯や口臭の原因となります。
②免疫力の低下
鼻による空気のろ過作用がなくなり、外気と一緒にゴミやウィルスなどが直接体内に入ってしまいます。
③姿勢が悪くなる
口が開くと、顎が後退して気道が狭くなります。
そのため、苦しくなり無意識に頭を前方へ突き出してしまいます。
結果的に猫背になってしまいます。
④睡眠の質が悪くなる
口が開くと舌が落ちてしまい、いびきや無呼吸症候群のリスクが高くなります。
また、睡眠の質が悪いと疲れが取れにくく、日中の活動に影響が出てしまいます。
⑤呼吸量が増える
口呼吸すると取り込む酸素量が多くなり、上述した酸素過多となってしまい、パフォーマンスの低下に繋がります。
鼻呼吸のメリット
①免疫力の強化
鼻呼吸することで、口の中の乾燥を防ぐことができます。
鼻で外気のゴミやウィルスの侵入を防ぐことができます。
②一酸化炭素により血のめぐりが良くなる
鼻腔から一酸化炭素が分泌されていることが研究報告により分かっています。
一酸化炭素が分泌されることで、体温上昇やリラクセーション効果が期待できます。
口呼吸では一酸化炭素が肺まで到達することができないため、鼻呼吸をすることが大切です。
③姿勢がよくなる
鼻呼吸をすることで、頭部が前方へ突き出ることがないため、呼吸が楽にできます。
④体内環境が変わる
血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが良くなり、細胞に適切な量の酸素を運ぶことができます。
⑤パフォーマンスの改善
酸素供給がよくなり、脳と体が活動しやすくなります。
集中力や姿勢、免疫など色々な効果が期待できる鼻呼吸は「良い呼吸」の基本となります。
ぜひ、鼻呼吸を意識してみてください。
まとめ
普段、無意識で行なっている呼吸ですが、口と鼻呼吸では効果が違います。
健康な生活が送れるように、呼吸を変えてみてはいかがでしょうか。
あなたの健康な生活を送るためのきっかけになれればと思います。