あなたは「福祉用具」という言葉を聞いたことがありますか?
医療や福祉系に携わっている方は聞いたことがあるかもしれません。
「福祉用具」とは、介護や介助が必要な方の日常生活をサポートするための用具や機器のことです。
福祉用具ってどんな種類があるの?
「福祉用具」でよくイメージするのが、車椅子やベッドではないでしょうか。
実は、福祉用具にはそれだけでなく、様々なものがあります。
たとえば、
・特殊寝台:
ギャッジベッド、電動ベッドとも言われることもあります。ベッドが背中・腰・脚の3つに分かれており、それらを一つひとつ動かすことで、ご利用者の姿勢に合った形にすることができます。
・床ずれ防止用具:
エアーマットにポンプで空気を出し入れし、膨張と収縮を繰り返して体を支えることで床ずれを予防するものになります。
・歩行器:
歩行が困難な方の歩行をサポートする目的で使用するものです。
・ポータブルトイレ:
比較的容易に移動が可能なトイレで、中にバケツが組み込まれています。自室からトイレまで移動するのが大変な方は、ポータブルトイレを使用することが多いです。
・シャワーチェアー:
シャワーを浴びたり体を洗ったりする際、楽に座ることができるものです。高さの変更もでき、座面の形もいろいろな種類があります。浴槽に浸かることが困難な方の場合、まずはシャワー浴からリハビリを開始するので、その際によく使用します。
そして、これらの「福祉用具」は2種類に分けることができます。
1つは「福祉用具貸与」です。
こちらは福祉用具をレンタル、つまり借りることができます。
たとえば、車椅子や介護ベッド、歩行器などがあります。
もう1つは「特定福祉用具」です。
これは、排せつや入浴の時に使用するものです。
たとえば、入浴用の椅子やポータブルトイレなどです。
どんな人が福祉用具を使えるの?
福祉用具貸与や特定福祉用具の購入は、どんな人が対象になるのでしょうか。
対象
介護保険認定を受けている人が対象です。
しかし、要介護度によって使用できる種目に違いがあるため、注意する必要があります。
制度
要介護度により使用できる種目に制限があります。
たとえば、要支援と要介護1の場合、手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ以外は使用することができません。
また、車椅子は要介護2以上でなければレンタルすることができません。
※2022年10月現在の制度
福祉用具の目的
上述もしましたが、福祉用具は介護や介助が必要な方の日常生活をサポートするためのものです。
特に日常生活動作(ADL)と呼ばれる項目の、
- 移動
- 入浴
- 排泄
などを便利に行いやすくすることで、生活の自立を助けることを目的としています。
福祉用具の入手方法
福祉用具の入手方法として、レンタルと購入の2通りがあります。
①レンタル
車椅子や介護ベッドなどを含む13品目は、介護保険を使ってレンタル(福祉用具貸与)することができます。
しかし、先程にも書いたように、介護度によりレンタルできる品目が違うので気を付けましょう。
基本、レンタルの場合は1割負担でレンタルすことができます。
ただし、収入額に応じて2~3割負担の場合もあります。
②購入
入浴や排泄の際に使用する用具(特定福祉用具)はレンタルができないため、購入する必要があります。(衛生的な問題のため)
申請方法は以下の2通りあります。
・受領委任払い:購入者が販売業者に自己負担分のみ支払い、その後に自治体が販売業者に介護給付金が支給される。
・償還払い:購入者が全額自己負担で支払い、その後に自治体へ申請して払い戻される。
どちらも所得により1割~3割負担となります。
申請はほとんどの場合、購入した業者が代行しくれます。
詳しくは、担当のケアマネジャーに相談してください。
福祉用具のメリットと注意点
福祉用具は使用することで、ご利用者の生活をサポートすることができる「お助けアイテム」です。
しかし、注意しなければいけないこともあります。
それは、福祉用具は万能なアイテムではないということです。
福祉用具を使用しても、解決できない問題はもちろんあります。
私の実体験です。
車椅子のポジショニングでクッションをレンタルしたのですが、なんだか座り心地ちに違和感があると納得されませんでした。
そこで、クッションの他にバスタオルを使用してポジショニングを行ったところ、座り心地ちも良く、長時間座っていても疲れない、と納得されたケースがあります。
レンタル用品+身近にあるもので工夫する、ということが問題解決に至るケースもあるということです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
福祉用具を使用することで、ご利用者の生活をより良いものに変えることができます。
ただし、介護度により使用が制限されるため注意が必要です。
ぜひ、参考にてしてみてください。