パーキンソン病ってどんな病気?必要なリハビリとは

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パーキンソン病は全国に約14万人の患者がいるといわれています。
今回は、パーキンソン病の病態、そしてそのリハビリ方法についてお伝えしていきます。

 

パーキンソン病ってどんな病気?

パーキンソン病は、脳の「ドーパミン」という神経細胞が減ることで起こる病気です。
運動が困難となり、震えや転倒などを引き起こしやすくなります。
また、睡眠障害や意欲低下、便秘などの自律神経系の症状もみられます。

 

パーキンソン病の特徴的な4つの症状

パーキンソン病には主に4つの特徴的な症状があります。

 

<①安静時振戦>

安静にしているときや止まっている時に、手や足が自分の意思とは関係なく震えてしまう症状です。
寒いときに震える振戦もありますが、パーキンソン病の場合は気温に関係なく振戦が出現します。

 

<②無動>

動作がゆっくりになることです。
動作緩慢と言われることもあります。
また細かい動きが困難となります。
特に歩きはじめの一歩が出にくくなります。

 

<③姿勢反射障害>

体のバランスを取ることが難しくなり、転倒しやすくなります。
個人差はありますが、他の運動症状よりも遅く出現すると言われています。
日常生活では、おおまかに3つ挙げられます。

  • 歩き出すと止まることが難しくなる(突進歩行)
  • 歩行時に方向転換をするのが難しくなる(例:移乗、ベッドへ座るときに方向転換をするのが難しくなる)
  • 歩行時に姿勢を真っすぐに保つことができない(体が曲がってしまう)

 

<④筋固縮>

腕や手、足の筋肉が硬くなり、こわばってしまうことです。
腕や足を曲げると、カクカクとした不自然な動かし方になります。
これを「歯車現象」といいます。

 

パーキンソン病の予後

  • 進行性変性疾患であり、根治することは難しい。
  • パーキンソン病自体で生命を落とすことはないとされている。
  • 死因は、褥瘡、尿路感染、肺炎などの合併症。また、転倒や転落などの外傷によるものが多い。

 

パーキンソン病では、どんなリハビリをするの?

パーキンソン病では、主に2つのアプローチが行われます。

①薬物療法

ドーパミンの減少により発症するため、減少したドパミンを補う薬を服用します。
代表的なのが「L-ドーパ」です。

 

②リハビリテーション

理学療法士・作業療法士・言語療法士などによりリハビリを行なっていきます。
もちろんケースバイケースですが、具体的な内容を以下に5つ挙げます。

 

<リラクゼーション・ストレッチ>

筋肉のこわばりの軽減を図るために行なっていきます。
体を前後に倒したり、横に曲げたり、回旋したりします。
太ももの裏を伸ばしたり、肩や腕を伸ばすことも大切です。

 

<筋力強化運動>

意欲低下などもあり、筋力低下がみられます。
弱ってしまった部分の筋力トレーニングを行ないます。
運動方法はいろいろありますが、主に足の付け根や太ももの運動を行ないます。
また、お尻や背中などの運動も行ない、立ち上がり動作や立っているときの前傾姿勢の予防にも繋げていきます。

 

<生活動作練習>

更衣や食事、入浴、排泄などの動作が難しくなってくるため、必要であれば自助具や福祉用具を活用します。    

 

<構音・嚥下練習>

無動や筋固縮により生じる症状です。
声が小さくなったり、抑揚が乏しいなどの症状がみられます。
また、食べ物がうまく飲み込めなくなったり、むせがでやすくなったりして食事を摂ることが難しくなるなど、誤嚥による誤嚥性肺炎になることもあります。

 

<歩行訓練>

歩行には主に3つの症状があります。

  • すくみ足:初めの一歩が出にくい。
  • 突進歩行:歩いている内に歩行速度が上がり、止まれなくなる。
  • 小刻み歩行:歩幅が狭くなる。

対応としては、リズムをとることで足の振り出しが改善されることがあります。
また、膝を前に出すように伝えたり、踵から床に着くようにするなどのことを意識することが大切です。

 

パーキンソン病で注意すること

生活の中で主に注意することは以下のようなものです。

 

積極的に体を動かす

パーキンソン病は進行性のため症状が進んできます。
進行の度合いに関わらず、運動をすることは大切です。
動かさなければ体はどんどん硬くなり、行動する範囲が狭くなります。
運動も生活の一部と捉えれもらうことが良いでしょう。

 

食物繊維などで腸内環境を整える

腸の活動が鈍くなり、便秘になりやすくなります。
予防できるように摂取するものに注意しましょう。
例えば、食物繊維のあるゴボウやきのこ、乳酸菌のあるヨーグルトなどを積極的に食べるようにしましょう。

 

誤嚥に注意

誤嚥性肺炎のリスクに繋がるため、一口を小さくして食べましょう。
また、あせらずにゆっくり食べることや、水分を多く摂取することも必要です。
また、むせがあればトロミをつける方法もあります。
安全においしく食べましょう。

 

自宅での工夫

<生活する動線や場所を確認する>

主にトイレやお風呂、食事などの生活する中で、よく行く場所や動線を確認しましょう。
その中で、手すりや滑り止め、バリアフリー化を検討することで安全に生活することができます。

 

<整理整頓をする>

動線上など、本人が通行するところは整理整頓を行ない、つまずきや転倒を防止します。
「こんなもので?」と思うような小さな物に躓いたり、引っかかったりすることも多く、転倒のリスクに繋がります。
また、床に歩幅に合わせたラインを引くことで足が出やすくなる方もいます。

 

<趣味などを行なう>

できる範囲で趣味ややってみたいことを積極的に行いましょう。
身体面と精神面は互いに影響をし合っています。
もちろん安全第一ですが、趣味は充実した生活を送るために大切なものです。

運動

<足踏み運動>

椅子などに腰かけて、交互に足踏みをしましょう。

 

<立ち上がり運動>

椅子などから立ち上がり、ゆっくりと座ります。膝にも優しく、太ももやお尻などの運動になります。

 

<棒体操>

杖や新聞紙を丸めて棒にしたもの、あるいはサランラップの芯を使うこともあります。
両手で端を持ち、バンザイをします。
また、バンザイしたままで体を横に倒し、ストレッチをするのも効果的です。

 

まとめ

今回は比較的多い疾患である「パーキンソン病」についてお話しました。
動作を向上、あるいは維持させるためにリハビリはとても大切です。
また、自宅でも生活に合わせて少し工夫することで、より快適に過ごすことができるようになります。
ぜひ試してみてください。

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