9月某日、ご利用者H様の結婚式を開催させていただきました。
会場「はメディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪」が入る建物の1階「デイセンターリハビリプラザなでしこ」を貸し切って行いました。
H様ご夫婦の結婚式開催までの経緯
結婚式を開催するに至ったきっかけは、訪問時にH様ご本人と奥様からこぼれ聞こえた声でした。
もともとはお二人とも結婚式を挙げるつもりでいたそうなのですが、H様が病気を発症し、断念せざるをえなかったそうです。
そのお話を聞いて、私たちは「H様ご夫婦の結婚式を開けないか」と考えました。
そしてH様を担当している管理者Mを筆頭に話し合い、H様と奥様のご家族にも協力いただいて「サプライズ結婚式」を挙げる計画を立てました。
サプライズ結婚式の計画
H様ご夫婦には内緒で奥様の妹さんと連絡を取り合い、一緒に結婚式の日取りや飾り付け、音楽、ナレーションなどの準備を進めさせていただきました。
そして来る本番一週間前、結婚式の開催を考えている旨をご本人たちに妹さんからサプライズ報告していただきました。
H様ご夫婦は驚きつつもとっても喜んでくださり、「緊張するけど楽しみやわ~」「訪問美容院予約したで!」「髪の毛は何色がええやろ?」と訪問時にはワクワクされている様子が伝わってきました。
会場はデイサービスか結婚式場かどちらにするか迷いましたが、妹さんよりメディケア・リハビリのスタッフの皆さんが大好きな2人なので、メディケア・リハビリと関連するデイサービスでしてもらえたら喜ぶと思いますと言っていただき、当ステーション1階にある「デイセンターリハビリプラザなでしこ」で行う事が決定しました。H様ご夫婦のご兄弟姉妹やご友人も設営・飾り付けを手伝ってくださり、お二人が大好きな水族館をイメージした手作り結婚式場ができあがっていきました。
結婚式当日
列席するご家族やご友人が続々到着する中、タキシードをビシッと着こなしたH様と素敵なウェディングドレス姿の奥様が会場に到着しました。
列席者は全員で約30名、お一人おひとりからお二人へのメッセージ動画をいただくなど、当日もご協力いただきました。
式が始まると、新郎であるH様はご友人に車いすを押してもらい入場、新婦の奥様もご友人にエスコートされて入場しました。
そして、リングボーイを務めたのが、H様ご夫婦のお子さまです。指輪とネックレスをお二人の元に届ける姿がとてもかわいらしかったです。
人前式スタイルの結婚式だったので、お二人のご友人が結婚承認のサインとスピーチを行い、これまでのご夫婦の歩みなども聞くことができました。
その後、お二人にも結婚のサインをいただきました。H様は半側空間無視の症状がありましたが、これまでのリハビリテーションにより、工夫してサインすることができました。
またH様から奥様へのメッセージもあり、「これからは子どもと僕の面倒をみるのが大変になると思います。覚悟しておいてください」と少し涙ぐむ場面もありました。
結婚式前、H様は人前でのキスが「一番イヤやな」とおっしゃっていましたが、いざ本番になると一番うれしそうしておられ、写真撮影なども含めて計3回ものキスに会場から笑いが起きていました。
ウィエディングケーキは奥様のご友人が用意してください、ご夫婦とお子さまの家族3人での入刀となりました。
最後にH様を担当しているメディケ・リハビリ訪問看護ステーション松阪の管理者Mから、今回の結婚式にまつわるエピソードをお話させていただきました。
計画当初は成功するかどうか不安でしたが、H様家族やそのご友人方、そして協力してくれたスタッフ全員の笑顔を見て、ほっとすると同時にとても嬉しかったです。
まとめ
フラワーシャワーの中、バージンロードを熱くお二人の姿に「成功して良かった!」という思いが溢れた結婚式となりました。
今回関わっていただいたH様と奥様、お子さま、そしてそのご家族やご友人、また準備を手伝ってくれた「デイセンターリハビリプラザなでしこ」のスタッフ、「メディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪」のスタッフ、一人でも欠けていたらうまくいかなかったと思います。
本当に皆様ありがとうございました。今後もメディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪は、ご利用者の「生きる喜び」を創り出すことを一人ひとりが考え実行していきます。