1.フォローアップ研修会とは
訪問看護ステーションに入社して約半年。
「訪問業務にもずいぶんと慣れてきたなぁ」と思う今日この頃ですが、そんなとき頭に思い浮かぶのがこの言葉。
「慣れた頃が一番危険」
たとえば、自動車の運転を考えてみましょう。
免許を取ってすぐは運転技術が未熟なため、細心の注意をはらってしっかりとした安全意識を持って運転します。
しかし、初心者から中級者へとなろうかというころ、運転技術や交通ルールに「慣れ」が生じてきます。
そうです。この「慣れ」が一番危険なのです。
慣れたことで自信がつき、
「これくらいならいけるだろう」
「自分なら大丈夫!」
と自らの運転技術を過信しすぎてしまい、無理な運転やちょっとした交通ルールの無視などによって、最悪の場合事故を引き起こしてしまうのです。
これと同様に、最初は慣れなかった訪問業務も半年ほど経つと「慣れ」が出てきます。
大きなことや入念な打ち合わせが必要なことには気を張っていても、書類の記載方法やご本人・ご家族との日常会話など、些細なことは「慣れ」によって知らず知らずのうちに忘れがちになっていたり怠ってしまったりしていることがあります。
そこで当訪問看護ステーションでは、そんな「慣れた頃」のスタッフを対象に、業務の振り返りや課題の整理と相談ができる場として、毎年「フォローアップ研修会」を開催しています。
本年度の参加者は看護師17名、療法士7名。
今回は主婦の参加も多かったので、お子さん連れでも参加しやすいようにと運営スタッフがベビーシッターとして頑張ってくれました(笑)
2. 研修会テーマ「連携」と「リスク管理」
フォローアップ研修会は、毎年3部構成で行っています。
【第1部】連携
「連携」というキーワードは、医療介護分野において長年言われてきていることです。しかし、なかなかできていないのが現実です。
今回は「連携」の中でも制度的な背景を踏まえた上で、内部と外部の連携について「なぜ」連携する必要があるのかという部分を掘り下げた内容となりました。
【第2部】リスク管理
在宅でのリスク管理は病院のリスク管理とは違います。そのため新人スタッフが在宅で働く上で特に苦手に感じてしまうものの一つです。
そこで今回は、スタイル訪問看護ステーション 管理者 中村様をお招きし、「リスク管理-臨床思考と判断-」をテーマにお話しいただきました。
リスク管理の中でも“幹”になる部分。つまり、リスク管理を各々がどのように考えているのか、自身の“思考のクセ”を振り返り、そしてどのような心構え・思考を持つべきなのか。そのことを考える機会となりました。
参加スタッフからは、
話し合いの中で、最初に必要な情報をしっかりととること (既往歴・アレルギー等)。
その情報を得たうえで他のスタッフと情報を共有しながら、その人に起こり得る事の予測を立てるなど、ポイントを押さえておけばいざという時に何も準備がない時よりは落ち着いて対応できるということが分かりました。今後一人一人の情報の確認・共有・意見交換を行い、心構えをもって訪問していけるようにしたいと思いました。
しかし、怖さがあるから自分を守ることにも繋がっており、あらゆる感情を否定するのではなく、認めることが目の前のご利用者やご家族の心理を理解していくきっかけに繋がるのだと知りました。
今回は看護師さんと現場の不安に関して表出、共有できたので不安の解消につながりました。
といった声がありました。
「リスク管理」という言葉を聞くと、必要以上に身構えてしまいがちです。なぜなら、それだけご利用者やご家族の在宅生活を支援していく上では重要なことだと知っているからです。
しかし、重要なことだからこそ、無意識に自分本位な考えに至ってしまい、目の前で困っているご利用者やご家族のことを本当の意味で見ていなかったかもしれない、と参加スタッフの「気づき」を強く揺さぶる内容になりました。
【第3部】グループディスカッション
最後に、業務の振り返りや困り事の共有、相談も兼ねたグループディスカッションを実施しました。
事前に記入してもらった「振り返りシート」を使い、どのグループも白熱したディスカッションがなされていました。
- 一人でモヤモヤと悩んでいるところを同じ境遇のスタッフと共有する。
- それに対して何か工夫しているスタッフがいればアドバイスし合う。
- スタッフみんなが困っていることであれば会社に投げかける。
そんな話し合いが自然発生的に起こっており、とても充実した内容になりました。
これも外部講師の中村様や運営スタッフの協力、そして何より熱い思いを持った新人スタッフの方々のおかげだと思います。
これからも教育研修課として、新人スタッフの教育に力を入れていきたいと思います。
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