訪問看護・リハビリでよくある疑問② 運動習慣を継続するためのコツ

ウォーキング 散歩 運動習慣 リハビリ

「『歩かないと足腰が弱るよ!』 と言われるけど、なかなか毎日歩けなくて…」

リハビリを行なっていると、多くの方から「歩かないといけないことは分かっているけど、なかなか歩けない」という訴えをお聞きします。

ただでさえ、車や電車、バスなどの交通機関が発達し、步く機会が少なくなってしまいがちの昨今。意識的に步くようにしないと、ついつい運動する機会が少なくなってしまいます。

しかし、「毎日必ず步く!」と決意してみても、多くの場合、継続させることが難しいですよね。

そこで今回は、運動習慣を確立するためのコツについてご紹介します。

運動を続けるための具体的な方法

以下に5つのコツをご紹介します。

1、意思や根性に頼り過ぎない

まず、決意とか意思、根性に基づいた行動は、実際のところ、なかなか続けることが難しいということを認識する必要があります。

「続かないことの代表」のような「ダイエット」でもそうですが、無理して食事制限などに取り組んでいると続けることが難しく、リバウンドする可能性も高くなります。できるだけ意思や根性に頼らない方法でダイエットを継続させる方法を考えることが理想です。

步くこともこれと同じで、意思に頼り過ぎると多くの場合は結局続けられず、継続できない自分を責めてしまいがちです。そうならないように継続できるコツを抑えておくことが大切です。

2、家から出る用事を作る

人は周りの環境によって取る行動を無意識に変えています。家から出る機会が少ない方は、まず「家から出なければ達成できない課題」をあえて持つようにすると、自然と步く機会を作ることができます。

例えば、

  • デイサービスを利用してみる
  • 買い物をわざと小分けに買うようにして、2、3日に1回スーパーに歩いていく。

などです。

歩行することを目的にするのではなく、違う目的を設定し、その中に步く動作を取り入れることで自然に無理なく続けやすくなります。

3、楽しいことの”ついでに歩く”

步くときに、"ただ步く"のではなく、仲良しの方と一緒におしゃべりしながら步く習慣を付けるようにすると、步く時間が楽しみに変わります。

近所の方と
「何曜日の何時にどこで待ち合わせして、一緒に歩きましょう」
と相談して決めておきます。
たとえ、その日に少し気分が乗らなくても、待ち合わせ場所に行かないと相手に迷惑が掛かってしまいます。そうすると適度な強制力が自然と働き、歩くことを続けやすくなります。

4、靴や服を変える

靴を買い換えると、步くのが楽しくなります。步く習慣を持ちたいと思ったときに、靴を新調してみるのも有効な方法です。

また、ウォーキング用にスポーツウェアなどの服を買うとやる気が高まることも多いです。道具をうまく活用して、歩くモチベーションを維持する方法もあります。

5、効果を振り返る

やる気を持続させるには、反応(フィードバック)が大切だと言われています。

步くことで自分の体調がどう良くなったか、1週間程度で良いので、短い期間で一度自身で振り返り、できれば紙に書き出しましょう。

1週間程度では体重が減ったなどの大きな変化は感じにくいと思いますが、

  • 手足の冷えがましになった
  • なんとなく足に力が入りやすい
  • お通じが良くなった気がする
  • 体が軽い感覚がする
  • 気分が落ち込みにくくなった

などは歩くことによる血流の改善効果で感じやすいものです。

歩く効果をはっきり認識できると、「さらにもう少し」と頑張りを継続させやすくなります。

まとめ

運動習慣を継続できない方の多くは、「歩くことをただ決意する」という1つの方法を何度も繰り返し、その度に継続できず、継続できない自分が悪いと落ち込んでしまうことが非常に多いように感じます。

しかし、「人は決意だけでは物事を継続できないもの」と違った視点で考えてみると、やり方を変えてみようという新しい視点を持つこともできます。

その人が悪いのではなく、方法が悪いことも多いものです。

ご紹介した5つの方法で自分に合う方法を試してみてはいかがでしょうか。

一覧へもどる