『気になる子どもの理解と対応〜発達障害を持つ子どもにみんなができること〜』をテーマにした今回の研修会ですが、そもそも気になる子どもの定義とはなんなのでしょうか? そして、理解するにはどのような視点が必要なのでしょうか?
これらについて、藍野大学の講師 丹葉寛之先生(藍野大学 医療保健学部 作業療法学科 講師/作業療法士)に事例を交えながら分かりやすく解説していただきました。
丹葉先生曰く、大人の捉え方次第で、目の前の子ども達が「気になる子ども」にも「気にならない子ども」にもなり得るということでした。
主観的な目だけではなく、客観的に、且つ俯瞰的な目で捉えることが、本当の意味で目の前の子ども達を捉えることが必要です。
では、理解するにはどうすればいいのでしょうか?
これにはICFの概念と作業分析の視点が重要となってきます。
ICFの概念では健康状態・心身機能・環境因子・個人因子ごとに見ていき解釈していきます。
例えば、あまり昼食を食べたがらない子を「偏食」だと思っていたが、実はそうではなく、単に「お腹がいっぱいだった」という理由で昼食を食べなかっただけで、生活リズムを少し変えてあげると食べられるようになったという事例もあったそうです。
作業分析の視点では「子どもの持っている力の分析」「作業課題の分析」「環境の分析」をしていきます。
彼らの発揮できる力はどこまであるのか? 課題のどの部分が難しいのか? などを分析した上で、他職種と相談しながらその子にあった支援方法を考えていくことがとても重要であると学びました。