「膝の痛みを取る」「腰痛に効く」などの効能を謳ったサプリメントがテレビCMでよく放送されています。訪問看護のご利用者からも「あの薬買ってみようかな?どう思う?」と聞かれることがよくあります。
はたして、実際のところ市販薬に効果はあるのでしょうか?
市販薬と医療機関で処方される薬との違い
病院などの医療機関で処方される薬は、必ず、科学的な統計データに基づき、薬の効果や有効性が確認されています。(参考:公益社団法人 日本整形外科学会HP)
例えば、膝に痛みがある際に医療機関で処方されることの多いヒアルロン酸は、関節内投与(注射)が、肩関節と膝関節にのみ、保険適応が認められています。
市販されている飲む薬については科学的な根拠(エビデンス)がないものも多く、有効性が認められていないために保険の適応外となっています。
なので医療機関でも処方されません。
また、薬の薬効にはある程度個人差があることが普通なので、一概に効果がある・ないと判定することはできません。
プラセボ効果
人間には、プラセボ(偽薬)効果があります。
プラセボ効果とは、効き目のある薬を服用していると本人が思い込むことによって、病気の症状が緩和することを指します。
実際に私がリハビリを行っている方で、市販の薬を飲むことで膝の痛みを少し感じにくくなったというケースもあります。
(*膝の骨の変形が治癒するわけではなく、あくまで「自覚的な痛みの症状が軽くなった」という意味です。)
とはいえ、市販されている薬は「絶対に効果がない」という科学的根拠もありません。
実際にこれからデータを集め、有効性が認められれば保険が適応され、医療機関で処方されるようになる可能性もあります。
なので、絶対に飲まない方が良いとも言えませんし、飲んで必ず症状が良くなるとも言えないのが現状です。
まとめ
今現在、市販の薬を服用されている方は「効果がなければ服用を中止する」という判断が適切かと思われます。
また、他に服用している薬がある場合は飲み合わせにも注意が必要です。
そのほか、CMの中では有効成分と謳っている成分がビタミン類であることもあります。
市販の薬に含まれる成分をインターネットなどで詳しく調べてから購入を検討することも必要だと思います。
その際、必ず情報源が「どこからなのか?」「確かなものなのか?」を確認することも大切です。