メディケア・リハビリ訪問看護ステーション大阪住吉 地域講座「100歳まで元気でいるための歩き方」

西野英行さんの写真 100歳まで元気でいるための歩き方 メディケア・リハビリ訪問看護ステーション大阪住吉 地域講座

メディケア・リハビリ訪問看護ステーション大阪住吉で「100歳まで元気でいるための歩き方」をテーマに、「歩行のメカニズム」についてケアマネジャーさん向け地域講座を開催しました。

日本では平均寿命が年々延び、ずいぶん前から人生100年時代といわれています。
そんな時代に100年先も健康で元気に過ごすためには、全ての人に医療・介護の知識が必要になってきます。

今回はケアマネジャーさんに「自分ごと」として「歩き方」を捉えてもらうことで、医療・介護現場でもすぐに役立つようにと、より実践的な講座にしました。

体の不思議

現代日本人の平均体重は、

  •  女性:約55kg
  •  男性:約71kg

といわれています。
一方、1日で歩く平均歩行距離は、

  • 約5km

とされています。

考えてみれば不思議なもので、わたしたちは55kg〜71kgもある体を毎日5kmも運んでいることになります。
調べてみると大型冷蔵庫がおおよそ60kg程度で、人ひとりと同じくらいの重量があります。
冷蔵庫を背負って毎日5km歩く・・・大変なことですよね。
しかし、わたしたちはそのような行為を難なく、毎日、何年、何十年と繰り替えしています。
では、どうしてわたしたちはそんな大変なことを無意識にできるのでしょうか?
その答えは、人間の体に本来備わっている「歩行のメカニズム」が働いているからです。

歩行のメカニズム

人が立っているとき、重心は骨盤にあります。
そして、足を前に出すことで骨盤を前に運ぶ活動のことを「歩行」といいます。
歩行のメカニズムは、踵の骨の形が丸い形状をしていることも、股関節が全方向に柔軟に動くことも全て意味があり、全身の微妙なバランスで成り立っています。


それらのうち、一つでもその機能を失うと、途端に歩くことが体の大きな負担となってしまいます。
人体は機能的に「設計」「デザイン」されており、微妙なバランスが整っていることで、わたしたちの何気ない日常活動が成立しているのです。

介助にも生きる知識

西野英行さんの写真 100歳まで元気でいるための歩き方 メディケア・リハビリ訪問看護ステーション大阪住吉 地域講座

歩行のメカニズムを知っておくと、介護の現場でも役に立ちます。
主に歩行介助の場面です。

転倒が起きてしまう際の要点は2つ。

①骨盤(重心)が急激に移動する
②地面と足の接地面が不安定

このことを知っていると、重心が大きく動いてしまわないように介助者が被介助者に体を近づけて介助したり、足部に注意を向けておくことでより安全に介助ができます。
結果、介助者も被介助者も楽に安心して歩行介助が行えます。

過剰な介助は被介助者に負担が大きいだけではなく、本来必要な体の動きを著しく制限してしまうこともあるため、逆に歩きにくくなってしまうこともあります。

正しい知識を持ち、必要最低限の介助方法を意識することで、より円滑な歩行介助が行えます。

まとめ

歩行のメカニズムを知ることは、歩くことの質の向上に繋がる話です。
しかし、生活が便利になった現代では、反面、日々の運動量が少なくなりがちです。
普段の生活の中で意識的に歩く量を増やすようにすることも重要です。

メディケア・リハビリ訪問看護ステーション大阪住吉では、今後も引き続き地域に貢献できる事業所を目指し、地域講座を開催していく予定です。

参考)総務省統計局

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