今回は、株式会社おおきに デイサービスおたがいさん代表取締役 太田さんをお招きして、デイサービスおたがいさんの地域参加についてお話いただきました。
この日は40名を超える看護師、リハビリ職、ケアマネジャー、介護士といった様々な職種の方にご参加いただき、研修会は大盛況となりました。
充実=生きがい
デイサービスおたがいさんでは、「地域参加をとおしていつまでも人生に張り合いを持ち、お互いに助け合って生きていく」をコンセプトに
- 畑作業
- 買い物
- 外食(回転ずしでランチ!)
- 野菜や駄菓子の販売
- 洗車
など、社会参加につながる色々な取り組みを提供しています。
「充実こそが生きがい」であり、ご利用者がいかに充実した時間を過ごせるかを「地域・社会参加」をひとつのキーワードとして様々な工夫をしています。
自分のことは自分で決める!
おたがいさんでは、ご利用者のことを「メンバーさん」と呼び、単に「デイサービスの利用者」ではなく、地域のひとりとして参加してもらっています。
なので、その日のスケジュールはメンバーさん自身が自分で決めていきます。
例えば、
AM:畑作業
お昼休憩
PM:みたらし団子作り&販売
また、その日の昼食メニューもメンバーさんを中心にスタッフと相談しながら決め、食材の買い出しや畑での収穫、調理などもメンバーさん自身が行います。
スーパーの買い出しでは、足腰の問題で転倒リスクのある方や、認知機能の問題でお金を支払わずにお店を出て行ってしまう可能性のある方など、様々なメンバーさんがいます。
そうした問題がある場合、一般的には買い出しそのものを制限しがちです。
しかし、おたがいさんではそういったリスクがあることをスーパーへ事前に相談し、一緒に話し合うことで、デイサービスのスタッフだけでなく、スーパーの店員さんも含めてみんなでメンバーさんをサポートするという取り組みをしています。
自分たちはこれまで、「リスク管理」ではなく、その人の「意思管理」をしてしまっていたのではないかと気づかされるお話でした。
まとめ
デイサービスは地域の事業所です。
だからデイサービスの中だけで完結するのではなく、地域・社会との接点を持ち続ける必要があります。
それはご利用者がデイサービスに来るだけでは解決できません。
デイサービス自体が地域・社会との接点を持ち続けられるように働きかけ、ご利用者と一緒に取り組むことで初めてなし得られるものなのだと、太田さんはお話されました。
「当たり前のこと」を「当たり前にできるようにする」
デイサービスおたがいさんの本質を突いた実践報告は私たちにとっても、とても魅力的なものでした。
今回参加された方からも、
- 忘れかけていたやる気が出てきました。
- さっそくできることから取り組んでいこうと思う。
などの感想があり、明日に繋がる研修会になりました。
「おたがいさんだからできる」ではなく、皆さんの現場、皆さんの地域に合ったことをSmall Stepからはじめてみてはいかがでしょうか?