高齢ドライバーの運転免許返納後の移動手段の一つとして「電動車椅子」に注目が集まっています。
というのも、年齢を重ねて外出が困難な状態になってくると、移動を車に頼らざるを得ない現状になってくることが多くなってきます。
しかし、車の運転に必要となる判断力や認知機能の低下、持病の発作などにより、高齢ドライバーによる交通事故が急増しているという一面もあります。
そのため、社会全体で運転免許証の自主返納の促進が進んでいます。
既存の移動手段(車)がなくなると、移動や外出が難しくなり、結果、家に引きこもってしまう可能性もあります。
移動支援機器 パーソナルモビリティ
車椅子というと、「障がいや怪我、病気がある方が使うもの」という認識がある方も多いと思いますが、日本の大手自動車メーカーはかなり前から超高齢化社会に向けて「パーソナルモビリティ」という移動支援機器の開発・研究を行っています。
そのほとんどが電気を原動力としているため、環境性能に優れ、経済的にも安心を謳っています。
「パーソナルモビリティ」は、街中での近距離移動を目的とした1〜2人乗りの小型の次世代自動車というコンセプトをもとに開発されています。
自動車や自転車、バイクの中間的な乗り物です。
少し前に有名になった「セグウェイ」などがイメージしやすいでしょうか。
いわば、歩行支援ロボットの先駆け的存在として「パーソナルモビリティ」の開発が進んでいるのです。
国土交通省でも、超小型モビリティ導入に向けたガイドラインという形で資料が公開されており、政府も整備・普及に向けて議論が進んでいます。
参考)https://www.mlit.go.jp/common/000212867.pdf
高齢者の移動支援機器としての電動車椅子
ご存知の通り、多くの高齢者の方が移動に不安を抱えています。
年齢を重ねると、老眼になり、耳が聞こえにくくなり、白髪が生え始めるのと同じように、身の筋肉量も自然と低下していきます。
当然、若年者のように長距離を楽に歩くことが難しくなってきます。
- 老眼になれば老眼鏡
- 耳が遠くなれば補聴器
- 白髪が生えれば染髪
しかし、足の筋力低下や膝の痛みなどによる移動能力の低下を解消するためのこれといった道具や手段が認知・普及していないのが現状です。
けれども最近、日本では「電動車椅子」、海外では「パーソナルモビリティ」の認知・普及が進んでおり、日本の街中でも徐々に見かけるようになってきました。
介護保険や障害給付金制度を使って補助を受けたり、比較的低価格でレンタル・利用することもできる、見た目も新しいおしゃれな電動車椅子もたくさん出てきています。
参考)WHILLホームページ
より快適な社会へ
電動車椅子は障がいがある方だけが使うもの、という認識は過去のものになりつつあります。
もっとカジュアルで身近な存在になり、移動に不安を抱える方が気軽に利用できるように認知・普及が進めば、地域で孤立してしまう方や、自宅に引きこもりがちで外出が難しい方も減るのではないでしょうか?