ステーションの管理職として
地域とスタッフを見守る立場に

奈良県の総合病院で急性期・回復期・老健・小児分野の勤務を経て、2014 年「メディケア・リハビリ訪問看護ステーション京都」開設のタイミングで入社しました。

その後、エリアマネージャーとして地域の情報収集やスタッフの教育を担当し、現在は主任として訪問看護ステーションの立ち上げ事業に携わっており、主にテナント準備や人材の確保、スタッフから相談を受けたり職場環境を整えたり、教育指導を行っています。地域性が関わってくる訪問看護では「地域のニーズに対して自分たちのできることを考える」スタンスが重要です。そして収集した情報をスタッフ間で共有することが不可欠なので、スタッフとのコミュニケーションを意識的に行っています。

密なコミュニケーションで
職場環境を整える

このような業務と並行してご利用者への訪問リハビリも行っているため外出することが多いのですが、スタッフとはメールや電話に頼らず、できるかぎりステーションに出向いて直接話をするように心掛けています。意思疎通がうまくいくと、業務の効率化や質の向上につながります。訪問看護は、関わる側のコンディションが整っていないと良いサービスができない仕事なので、話をする中で、精神的にも肉体的にも良い状態か？ 楽しく仕事ができているか？ を感じとるよう努めています。

良い意味で上下関係がなく
お互いを尊重し合う社風

私が働いているステーションは、良い意味でスタッフ一人ひとりの個性が強いです。おのおのが長所を生かし短所を互いに補いながら働けているので、ステーションとしてまとまりがある職場だと思います。メディケア・リハビリに入社して感じたことは、立場の上下に関係なく話しかけやすい雰囲気で、裏表がない人ばかりだと感じました。自分から何か働きかけると話を聞いて一緒に考えてくれる人が多いのでとても励みになります。

当社は中途採用が多く、病院や施設勤務などの経歴や業界歴もさまざまなスタッフが入社してきます。スタッフの指導にあたり、キャリアや年齢ではなくその人本人に向き合い、やる気や考え方を尊重することを心がけています。というのも、入社当時の私が仕事でミスをした際に上司や先輩から頭ごなしに怒られたことは一度もなく、なぜミスをしてしまったのかを納得できるように丁寧に教えていただいた経験がありました。会社全体にお互いを尊重し合う雰囲気があるので、誰もが仕事に集中できるという良い循環が生まれているように感じます。

医療職としてはもちろん
ひとりの人間として成長できる場

当社で療法士として働いている中で強く印象に残っているご利用者がいらっしゃいます。入社してすぐの頃に担当した末期の悪性腫瘍の方です。独居で、身体の具合も日に日に悪くなってはいきましたが、その方はネガティブなことを面白おかしく語る「ユーモアスピーチ」というものを作成して私を楽しませてくれました。そこで、私は今まで作ったユーモアスピ ーチを発表しようと働きかけました。無事に展覧会に出品することができた時、ご利用者から「今まで希望を持てたことはなかったし、誰からも希望のある言葉をかけてもらうことはなかった。でも鶴谷さんからは希望をもらえて、それが生きる糧になりました」と言っていただくことができました。私にとって初めての看取りとなった方なのですが、その方を通じて「生きる」ことの素晴らしさを体験させていただき、これをきっかけに、人に希望を与えられる療法士になりたいと思うようにました。

在宅医療で関わるご利用者には疾病や障がいだけでなくそれぞれの人生に根ざしたスト ーリーが色濃くあり、接し方に悩むことも多々ありますが、それだけ深く人に関わることができるのがこの仕事の醍醐味です。メディケア・リハビリは、医療職としてのスキルアップのみならず、ひとりの人間としても成長できる場であると思います。