訪問看護の清潔ケア①清拭(せいしき)とは?

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こんにちは。三重県松阪市にあるメディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪の看護師 Mです。

この記事では、訪問看護でどんなケアをしているのか、具体的に分かりやすくお伝えします。

今回は、清潔ケア編その①ということで「清拭(せいしき)」についてご紹介します。

 

清拭(せいしき)とは?

清拭(せいしき)―――あまり聞きなれない言葉かもしれません。

清拭とは、タオルなどで身体を拭いて清潔な状態にすることをいいます。

清拭の中でも、身体や顔など全身を拭く場合は「全身清拭(ぜんしんせいしき)」、手や足、顔だけなど、身体の一部分だけを拭いて清潔にする場合は「部分清拭(ぶぶんせいしき)」といいます。

 

どうして清拭(せいしき)が必要なの?

身体を清潔に保つことは、皮膚や粘膜の機能と関連のある器官を正常に保ち、感染症などを予防することに繋がります。
つまり、清潔を保つことは、私たちが健康でいるためにとても重要な要素の1つなんですね。

さて、「清潔を保つ」と聞いて、多くの人が「入浴」を思い浮かべると思います。
まさにその通りで、清潔を保つ一番の方法は「入浴」です。

しかし、ご利用者の心身の状態によっては「入浴」することが難しい方もいます。
そこで、入浴をせずとも清潔に保てるよう、身体をタオルなどで拭く「清拭」を行います。

 

清潔を保つ以外の「清拭(せいしき)」の重要な目的

また、清拭は清潔を保つことだけでなく、下記のような目的もあります。

  • 身体に異常がないかを確認する
  • 床ずれ(褥瘡)ができていないか
  • 皮膚のトラブルはないか
  • 浮腫んでいないか

など、特に身体の背部(背中やお尻)は異常が見つけにくい場所でもあるので、発見する良い機会となります。

メディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪でよくある清拭の事例

◎床ずれ(褥瘡)予防

清拭中に皮膚の一部が赤くなっているのを発見することがあります。
皮膚が赤くなっているのは床ずれ(褥瘡)の前兆である場合が多く、この赤くなっている状態で対処・処置ができれば、深刻な状態になることを防ぐことができます。

特に皮膚が弱くなっている高齢者は、前回の訪問ではなかったけれど、今回の訪問では赤くなっていた、なんてことも多々あるので、定期的な清拭は重要なケアの1つになっています。

 

◎出血箇所の発見

訪問で伺うと、どこからか出血しているのか、ご利用者の衣服に血がついていることがあります。

衣服を着ている状態では、なかなか出血元を見つけることが難しい場合もありますが、清拭を行うことで全身状態をくまなく確認できるので、皮膚に掻いた痕を見つけたり、皮膚がめくれている箇所を見つけたりするなど、出血の原因箇所を発見しやすくなります。

傷の状態によっては処置をしたり保湿をしたり、主治医に連絡してお薬の処方をしてもらうなど、早期の対応が可能です。

もちろん、出血の原因は上記だけではありません。しかし、何が原因であっても、早期に発見することで悪化を防ぐことができます。

 

◎皮膚状態の悪化を防ぐ

清拭をしていると、湿布や止血用テープ(採血後などに貼るテープ)などを剥がし忘れているのを発見することがよくあります。

これらには粘着力があり、また患部が湿潤状態になりやすいため、使用方法以上の時間、貼りっぱなしにしてしまうと皮膚状態が悪化してしまうことがあります。
皮膚状態が悪化してしまう前に発見して処理できるのも、清拭の重要な役割です。

 

◎リラックスしてもらう

入浴とまではいかなくても、温かいタオルなどで身体を拭くことで血流がよくなったり、さっぱりして気分が良くなったりするなど、心地良さを感じてリラックスしてもらうことができます。

 

◎身体を動かすことができる

寝たきり状態のご利用者は身体を動かす機会がなかなかありません。

清拭では手や足、頭も動かしますし、背中を拭くときには横向きにもなります。身体を動かすことで、硬くなってしまっている筋肉を柔らかくしたり、タオルで拭くことで血流を良くしたりします。

 

◎信頼関係を築くことができる

ご利用者がリラックスした状態で思いや悩みを聞くことができるので、信頼関係を築く上でも清拭は重要な役割を担っています。

 

清拭を行ううえで工夫していることは?

ご利用者の負担とならないよう、そして少しでも心地良いと感じてもらえるように、メディケア・リハビリ訪問看護ステーション松阪では、次のような工夫をしています。

  • 季節や好みに合わせてお湯の温度を調整する
  • 慢性的な痛みがある方は、痛みのある部分にタオルを当てて温める(※炎症反応がある場合を除く)
  • その日の体調に合わせて、清拭を行う時間を調整する
  • プライバシーへの配慮を徹底する
  • 部屋の温度を調整する

 

清拭にはどんな物品を使うの?

特別な物を準備する必要はありません。ご自宅でいつも使っているものを使用させていただいています。

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  • 洗面器1個
  • バスタオル1枚
  • フェイスタオル2~3枚程度
  • 着替え(下着やオムツなど)
  • 洗面器などの下に敷くビニールシート
  • お湯(ポットのお湯or沸かしたお湯)

 

まとめ

清拭(せいしき)は、私たちが健康でいるために必要な「清潔」を保つために重要な役割を担っています。
特に寝たきりのご利用者にとって、「清潔」を保つことはもちろん、「清拭」時に身体を動かすことで筋肉を柔らかくしたり血流をよくしたりするなど、清潔以外の健康にも大きく関わっています。

また、リラックス効果も期待できるので、訪問の時間がほっと一息つける心地良いひとときにもなります。


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