昼寝の効果と昼寝のコツ5選

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「昼食後は眠たくなる…」という方も多いのではないでしょうか。

かくいう私も過去に昼食後はどうしても眠たくなり、集中できないことが多々ありました。
できるだけ起きる努力はしましたが、眠気の前ではあまりに無力です。
そこで、午後の眠気をどうにかできないかと色々と試した結果、昼寝をすることでもっとも効果的だと実感しました。
そこで今回は、昼寝の必要性とコツについてお伝えします。

昼寝というとあまり良いイメージがないかもしれませんが、実は健康を維持し、生き生きと生活するためにすごく重要です。

この記事を読めば、
  • 昼寝に関する正しい知識が手に入る
  • 正しい昼寝をできるようになる
  • 午後も集中力が続き、生き生きと好きなことができる
ようになります。

 

なぜ昼過ぎに眠たくなるのか?

昼過ぎに眠たくなる原因は、
  • 「睡眠・覚醒リズム」と呼ばれる生体リズム
  • 食事による眠気の誘発
  • 普段の寝不足からくる「睡眠圧」が考えられます。
が考えられます。

 

脳を休ませる仕組み「睡眠・覚醒リズム」

人の脳は、目を覚ますと激しく働きはじめます。
しかし、働き続けるとオーバーヒートし、次第に作業効率が低下してします。
それを防ぐために、
  • 起床から8時間後
  • 起床から22時間後
に、それぞれに眠気がきて、脳を休ませようとします。
この仕組みを「睡眠・覚醒リズム」といい、体内時計によって規則正しく機能するようになっています。

具体例を出すと、朝6時に起きる人は8時間後の14時頃に眠くなります。
この眠気は生理現象ですので、どうやっても逃れることはできません。

 

食後に起こる血糖値の乱高下が眠気を誘発させる

ある調査によると、 サラリーマンの昼食時間は平均で21.6分と言われています。
短時間しか時間がないため、糖質が大量に入ったコンビニ弁当やファストフードを食べる人が多いそうです。
糖質を短時間で大量に摂取すると、血糖値が急上昇します。
すると血糖値を下げるインスリンが大量に分泌され、その反動で血糖値が急降下します。

この血糖値の乱高下を「血糖スパイク」といい、強い倦怠感や眠気を引き起こす原因になります。
また、重たい食事は覚醒作用を持つオレキシンの分泌を抑制するので、これも強い眠気に関与している可能性があるとされています。

 

毎日の寝不足が、昼過ぎの眠気を助長させる

睡眠不足が続くと、眠気がどんどん蓄積されていきます。
これを「睡眠負債」といい、溜まった眠気は借金のように際限なく膨らみます。
日本人は慢性的に睡眠不足である人が多く、無自覚に睡眠負債を抱えている人が多いと言われています。
そのため、多くの日本人は「覚醒・睡眠リズム」による眠気に加え、睡眠負債が合わさり午後に強い眠気がやってきます。

まとめると、
1.睡眠覚醒リズム
2.血糖スパイク
3.睡眠負債
のトリプルパンチにより、昼過ぎに強い眠気が襲ってくるということです。

 

昼寝の効果

GoogleやApple、ナイキといった世界の超一流企業では、社員に昼寝を推奨していることで有名です。
海外では昼寝のことを「パワーナップ(積極的仮眠)」と呼び、広く普及しているそうです。

昼寝の主な効果として、
  • 眠気の軽減
  • 集中力・認知機能の向上
  • 判断力の向上によるミスの軽減
  • 感情のコントロール
  • 病気の予防 
と、たくさんの恩恵を享受できます。
NASAの実験でも、昼寝をすることで認知能力が34%、注意力も54%向上したと報告しています。
私も、昼寝をすることで午後も集中しやすくなっていると実感しています。

 

昼寝の効果を最大限に引き出すコツ5選

前述したように、昼寝にはたくさんのメリットがあります。
しかし、誤った方法で昼寝を取り入れると逆効果になる場合もあります。
具体的には、
  • 頭がぼーっとする
  • 夜に眠れなくなる
  • 病気になるリスクが上がる 
といったデメリットが生じます。

誤った昼寝は逆効果となるため、ここからは昼寝の効果を最大限に引き出すコツをお伝えしていきます。

 

眠たくなる前に昼寝をする

「睡眠・覚醒リズム」による眠気は、起床してから約8時間後にやってきます。
強い眠気が来たときには眠気のピークであり、そこから覚醒しようとして体内時計が動き出します。
つまり、眠気を認識してから昼寝をしても疲れは十分にとれません。
そのため、眠気がピークになる前である、起床後7時間を目安に昼寝をしましょう。

朝6時に起きる人であれば、13時ごろに昼寝をするのがベストです。
昼寝のタイミングには気をつけると効果的な昼寝がしやすくなります。

 

暗くて静かな環境を作る

人は繊細な生き物で、少しの物音や光があると眠れなくなります。
しっかりと昼寝の効果を引き出すには、「静か」で「暗い」環境を作らなければいけません。
ただ、普通にしていてそんな好条件な場所はありません。
そのため、いくつかのアイテムを使って良い環境を作っていきます。

 

イヤホン

職場は基本的に騒がしいかと思います。 そんな時に便利なのがイヤホンです。
最近のイヤホンはノイズキャンセリング機能が付いているものが多く、外音をしっかりと防いでくれます。
ノイズキャンセリング機能がついていない場合は、ヒーリング音楽を流すと外音をシャットアウトし、心も落ち着くのでおすすめです。

 

アイマスク

アイマスクは低価格で持ち運び便利なものがたくさんあります。
アイマスクがない人は、タオルなどで目を覆って代用しても構いません。

 

寝る時間は15~30分がベスト

昼寝の時間は重要であり、短すぎても長すぎてもよくありません。
5 〜10分の昼寝だとすっきりした感じはありますが、眠気は十分に減らず、生産性向上にはあまり関与しません。

15分〜30分では、ノンレム睡眠のStageⅡに入り、眠気をある程度減らすことができます。
また、昼寝の習慣がない人と比べ、認知症のリスクが7分の1に軽減したという報告もあります。

30〜60分では、ノンレム睡眠のStageⅣとかなり深く眠ってしまうため、起きた時に頭がボーッ とする「睡眠慣性」が生じます。

結論、15〜30分の昼寝が最も効果的ですので、参考にしてください。

 

15時を過ぎたら昼寝は禁止

遅い時間に昼寝をすると眠気はなくなるのですが、夜の寝つきが悪くなります。
昼間の心身の疲れを取るのに大切なのが「夜の睡眠」です。
夜の睡眠の質を下げてしまうと本末転倒になってしまうので、15時以降には昼寝をしないよう気をつけてください。

 

昼寝の前にコーヒーを飲む

コーヒーには眠気を抑える「カフェイン」が入っています。
この カフェインは、摂取してから30分後に効果が出ると言われています。
昼寝の直前にコーヒーを飲んでから5〜30分の昼寝をすることで、起きる頃にカフェインが効き、目覚めがスッキリします。

海外では「コーヒーナップ」とも呼ばれ、ビジネスマンに普及しているそうです。 

 

まとめ

人は本来、昼と夜の2回眠る2相睡眠であったと言われています。

現代を生きる私たちにも、「睡眠・覚醒リズム」として2相睡眠の遺伝子を引き継いでいるといわれています。
それが文明の進化により、街は夜も明るくなって事も忙しくなり、昼寝をしないのが当たり前となりました。
しかし、実は昼寝は本来の体のリズムを取り戻すために重要な要素の一つでもあります。
ぜひ、健康的な生活のため、効果的に昼寝を活用してみてください!

[関連記事:光は熟睡の鍵となる!光を使って睡眠の質を上げる方法

[参考文献]
  • 「あなたの人生を変える睡眠の法則」著・菅原洋平
  • 「睡眠こそ最強の解決策である」著・マシュー・ウォーカー
  • 「スタンフォード式最高の睡眠」著・西野精治

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