訪問看護の男性看護師・療法士の育児休暇取得×インタビュー

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内閣府男女共同参画局の2016年度の調査によると、夫婦がいる世帯のうち共働き世帯は約63%となっており、現在も増加傾向にあります。
これに伴い、女性だけでなく、男性も「育児休暇制度」を取得する方が増えてきています。
しかし、女性と比べて男性が育休を取得するケースはまだ少なく、特にはじめて育休を取ろうと検討している方にとっては、「育休を取って子育てしたいけど、どうすれば育児休暇が取れるの?」「育休ってどれくらい会社を休めるの?」など、疑問がいっぱい。
そこで、ここでは男性の育児休暇制度に加え、当社で実際に育児休暇制度を利用したスタッフの体験談などをご紹介します。

■目次
 1.育休は男性も取得可能
 2.育児休暇制度(育休)の期間
 3.育休期間中の給与・手当・給付金
 4.男性の育休取得率
 5.男性も利用できる、育休以外の育児支援制度
 6.育休を取得したパパの体験談

育休は男性も取得可能

1991年より、「育児・介護休業法」によって男女ともに育児休業の取得を認められています。
勤め先に育児休業に関する規定がない場合でも、申し出をすることによって育休の取得が可能です。また、契約社員やパートナーが専業主婦・主夫の場合でも取得できます。
ただし、勤め先で働き出してから1年未満である場合や、1週間に2日以下しか働いていない場合などは対象外になります。
『平成29年10月1日施行対応』育児・介護休業法のあらまし-Ⅱ-1 育児休業の対象となる労働者 ―厚生労働省

育児休暇制度(育休)の期間

育休の期間は、原則として「子どもが生まれた日から子どもが1歳になるまでの最長1年間」です。
しかし、幼稚園や保育園に入園できなかった場合など、これまでは子どもが1年6ヶ月に達する日まで育児休業の期間を延長できましたが、2017年10月1日に「改正 育児・介護休業法」が施行されたことで、再度申請すれば「最長2歳まで」延長できることになりました。
※保育園に入れないなど、休業が必要と認められる場合に限ります。

育休期間中の給与・手当・給付金

育休を取得するにあたって気になるのは、育休期間中の収入・手当がどうなるかですよね。

原則、育休期間中の給与は会社から支払われません。
その変わり、雇用保険から「育児休業給付金(育休手当)」の受け取りが可能です。
育休を取得してから最初の半年間は、育児休業開始前賃金の67%が育児休業給付金として支給されます。
ただ、育児休業給付金には、所得税、社会保険料、雇用保険料がかかりません。なので、手取り賃金で比較すると休業前賃金の80%が支給されることになります。
育休開始から半年を過ぎると、休業前賃金の50%の育児給付金が支給されます。

通常の給与よりも金額が下がるとはいえ、収入があるとないとでは大違い。育児休業給付金(育休手当)がもらえるのは子育て家庭としてはありがたいですね!

なお、育児休業給付金(育休手当)は初回支給申請が終わったあとも2ヶ月に一度は支給申請をする必要があるのでご注意ください。

男性の育休取得率

厚生労働省の調べによると、2017年に育児休暇を取得した男性の割合は5.14%で、現在も増加傾向にあります。

―平成29年度雇用均等基本調査「事業所調査 結果概要」―

政府は2020年までに男性の育児休業の取得率を13%とする目標を掲げています。現状、この目標にはまだ届いていませんが、共働き世帯の増加や働き方改革の推進から、少しずつ男性も育休を取得しやすい環境になってきているようです。

男性も利用できる、育休以外の育児支援制度

育休以外にも、育児・介護休業法によって使用できる育児支援制度があります。

  • 時短勤務・時間外・所定外・深夜労働の制限
  • 子の看護休暇(病院への付き添い、看病など)時間休や半日休などが該当
  • 育児参加休暇(時間単位での休暇、授乳や幼稚園・保育園の送迎など)
  • 配偶者出産休暇(分娩時の付き添い、入退院時の付き添いなど)

これらは全ての家庭でずっと使える制度ではなく、子どもの年齢によっては使えないものもあります。
例えば、短時間外勤務の処置は子どもの3歳の誕生日まで、子の看護休暇は就学前の子どもが対象です。

育休を取得したパパの体験談

今回は、産後サポート型の育休を取得した2人のパパにお話を聞きました。

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――育休を取ろうと思ったきっかけは何ですか?

1人目の時は里帰り出産だったんですが、2人目の今回は事情があって里帰りできない状況で…。自分たちの両親もまだ働いてますし、奥さんの入院中、上の子を見る必要がありました。
それが今回、僕が育休を取ろうと考えたきっかけですね。

――どれくらいの期間を申請しましたか?

奥さんと相談して、入院している1週間を休もうということになりました。

――育休をスムーズに取るために、何か工夫はしましたか?

休む1ヶ月以上前から上司に「育休を取りたい」と相談していました。
それから担当している利用者さんにも、お休みをいいただいたり、代行訪問になったりすることを事前にお伝えしていました。
事務所では同僚に代行訪問の調整をお願いして、なるべく利用者さんに迷惑がかからないよう工夫しました。

――育休を取ると言ったとき、上司の反応はどうでしたか?

実はちょっとだけ心配だったんですけど、いざ相談してみるとすぐに理解を示してくれました。
休みに入るまでの進め方を一緒に考えてくれたり、「上の子が寂しい思いをしないようにいっぱい遊んであげて!」と同じ父親としてのアドバイスももらいました(笑)

――心配が杞憂に終わって良かったですね!そんなこんなで始まった育休ですが、どんな1日を過ごしていましたか?

朝起きて洗濯などの家事をして、朝食を食べたら公園に行って遊んでました。お昼はそのまま公園でピクニックランチ。
帰りに買い物を済ませて、帰宅したあとはお昼寝。起きたら奥さんと2人目の子が入院している病院へお見舞いに行ってました。
夕食は近所の両親の家に食べに行って、帰宅したらお風呂と寝かしつけ。
上司にも言われた通り、ひたすら子どもと遊んでましたね。
上の子にとっては初めて母親がいない状況でしたし、最初はどうなるかと心配もありましたが、思っていた以上に寂しがらず、しっかりとしている姿に子どもの成長を感じられて嬉しかったです。

――今後、パパが育休を取得しやすい環境を作るうえで必要なことは何だと思いますか?

上司の理解と現場のフォロー体制ですね。あと、普段から周りとの信頼関係を築いておくことも大切だと思います。
スタッフ同士、スタッフと上司、それからスタッフと利用者さん。双方向の信頼関係があってこそ、スムーズに育休が取れるものだと思います。

 

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――育休を取ろうと思ったきっかけは何ですか?

まだメディケア・リハビリに就職する前、4年前の長男出産時に大学院への進学の兼ね合いも考えて、当時の職場を1年間育児休業した経験がありました。そのこともあって、今回の長女の出産でも育休取得に前向きでしたね。
それと長男の出産当時、妻が産後うつになってしまい、その支援が上手くできなかった苦い経験も取得しようと思ったきっかけの1つです。
今回は妻のサポートと長男の不安を減らすことに全力を注ごうと思いました。

──申請した期間はどれくらいですか?

産後すぐの5日間と、しばらくあとに4日間、合計9日間の育休を取りました。

――どうして育休を2回に分けて取られたんですか?

妻のレスパイトのためですね。
妻は育児休業をしながら、勤務先の都合で週2回パートのような形で勤務しています。
そのこともあって心理的・体力的な面を考慮して、妻に息抜きでお出かけしてもらうリフレッシュ休暇的な感じで取得しました。

――会社に育休を申請したタイミングと、その時の上司の反応はどうでしたか?

育休を取得する1ヶ月半くらい前に上司に相談しました。
男性が育休を取得するのは僕が初めてだったので驚かれましたが、すぐに手続きに必要な連絡をしてくれて、取得までスムーズに進めることができました。

──男性の育休第1号だったんですね!育休をスムーズに取るために、何か工夫したことはありますか?

代行訪問の調整などがあるので、どのタイミングで休むかを早い段階から上司と相談しました。

――育休中にこれをしたい!と思っていたことはありますか?

「これをしたい!」とは少し違うんですが、産後は意外といろんな手続きが多いんです(笑)
市役所に行ったり、妻の職場に3回ほど書類の手続きをしに行ったり。そういったことをスムーズにしたかったです。

──育休中はどんな1日を過ごしていましたか?

長男の保育園の送り迎えや、長男を連れて妻と長女のお見舞いですね。
妻と長女が帰ってきたあとは、主にミルク作りを担当していました。
それから今回、妻が出産の際、予想外に恥骨結合離開になってしまい、そのリハビリもしていました。当時は歩行器を使って後ろ歩きしかできない状態で授乳するのも大変でしたが、今は回復してほっとしています。

――それは大変でしたね。奥さんのサポートをするために産休を取得した新熊さんですが、今後、パパが育休を取得しやすい環境を作る上で必要だと思うことは何ですか?

まずは、パパ自身が制度について理解することが大事になると思います。
例えば、父母同時に育休を取得することも可能だったり、妻の産休中に夫が育児休業を取得した場合でも、期間をあけて再度育休を取得できたり、そういうことを知ることで、はじめて「じゃあ、自分はどのタイミングで、どれくらいの期間取得しようかな?」と実際に検討できるようになると思います。
あとは、取得する男性が少しずつでも社内に増えてくることで、自分も取得しようかな、と思える環境になっていくと思います。

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